詩人:Ray | [投票][編集] |
まるで不器用な僕が
不慣れなギターを手に
何気なく口ずさんだ唄は
気付けば
『まだ君が好きだよ』と
異臭漂う様な
未練歌だった。
気の利かした
ぐっとくるような
詞も思い浮かばなくて
まったくガキくさい
だだをこねたような
そんな詞で
真夜中 月明かりの下
気付けば僕は
唄ってた。
届け
届け
届け
届け
と
まさか届くはずもないことをわかっていながら
そう自己主張し続ける
僕は
まるでいつかの時代の
フランスの独裁者みたいだなぁ と
一人笑った。
『この想い
いつか 君に届け
せめて
この声枯れるまで』
だなんて
そんな言葉は口に出来なくて
届け なんて
そんな図々しいこと
僕には言えなくて
告白とか挑戦とか
そんなんじゃなくて
ただ
まだ君が好きだよ
という事実。
せめて ずっと
こうして一人
唄い続けさせてほしい。
この想い
いつか
僕の心から
消え去るまで。