ただ歌っていた。からっぽなのか心があったのかわからなかったけどただ歌っていた。思考を妨げて感情を塞ぎ込んで自分がここに在って自分を認識することを避けて歌うことで誤魔化したあたしは弱小な臆病者。大人と子どもの狭間にずっと居たくて何にも汚れない心をずっと持っていたくて音符に乗せた音を口遊むだけ。もし叶うなら唄い人になりたい。ずっとここにいて歌っていたい。どうか 邪魔しないで。
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