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Rayの部屋


[512] Engleen-moon
詩人:Ray [投票][得票][編集]

「うん。 それで?」
君は言った

そのとき
世界で一番嫌な言葉だと思った。


「うん、それで?」
もし君が言うなら
「うん、だからね…」と
僕は続けるだろう。


もしも月に行けたら
そこから宇宙を見下ろして
地球を携えて
「ちっぽけだなぁ」と
笑ってやろう

今までのうす汚れた人生を
僕らなんかが笑ってやろうよ



「この世に美しいものなんてない」と君は言う

だったら いいよ
そんなもの
探さなきゃいいさ

僕らの眼はいつからか
世間をまっすぐに見れなくなった

でもね
かすんだ瞳で眺める君は
美しいよ。



もしも月に行けたら
そこから宇宙を見下ろして
うさぎたちと仲良くなって
いっしょに笑って
楽しく遊ぼう

「お腹がすいたらうさぎを焼いて食おう
イケるかもしれない、
兎肉とか。」

そう言ったら
君は笑ったね。



どんな汚い
どんな情けない
どんなみっともない
人生だってさ
笑ってりゃいいんだよ

僕は君といればそう思える

ほら こんな男が
こんな台詞言えちゃうんだぜ?

そう言ったら
君は涙を流した。



「この世に美しいものなんてない」と君は言う

だったら いいよ
そんなもの
誰かにくれてやれ

汚れた僕らの眼にはもう
美しいものなんて映らない。


「ただ 君の笑顔だけは
僕にとって
とても美しいよ」

そう言ったら
君はまた 笑ったね。



肩を叩きながら
宇宙のはるか片隅で

ああ やっぱり僕は

君の笑顔が
こんなにも 好きなんだ。



もしも月に行けたら
そこから宇宙を見下ろして
二人いっしょに笑おう
声を張り上げて
これ以上ないだろってぐらいのバカさで

ずっとずっと
笑っていよう


ほらね 僕は

君の笑顔が
こんなにも好きなんだ。



2007/01/20 (Sat)

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