詩人:underdog | [投票][編集] |
バスは走る
濡れた窓ガラスを
指でぬぐった
暗闇を切り裂いて
バスは走る
丸い穴
チラホラと
コンペイトウのような
街の明かり
一つ、また一つ
街の明かり
丸い小窓は
街を写すよ
バスは走る
コンペイトウを
掻き分け
掻き分け
闇の中へと
掻き分け
掻き分け
下ってく
帰る場所を探して
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自己同一性
僕を守るアイデンティティー
さらに開拓して
大きくしていく
作り上げた虚像
僕を否定する奴から
僕を守る虚像
嘘で塗り固めた
強いアイデンティティー
自分では分かってる
可能性は皆無
さぁもっと作れ
今日も偽る
他人を偽り続ける
暴かれた
自分に
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嫌いなものは嫌い
好きなものは好き
わがまま
欲にまみれて今日も
人間がうじゃうじゃ
自分の為に動き回り
時には他人を傷付け
平気に笑う
笑い声、話し声
泣き声、叫び声
自分の為に
自分の為に
笑ったり泣いたり
うんざり
愛する人の為?
守るべきものの為?
失うのが怖いだけ
自分だけの為
自己満足で独りよがり
孤独な奴ら
人の波
人の陰
今日も変わらず
昨日と同じ
あぁ今日も
あぁ僕も
笑ったり泣いたり
独りよがり
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終わりない
永久の螺旋
きっと続いてく
明日も、明後日も
車に引かれるまで
きっと続いてく
何もない
なにもかも
何もない
空虚、空白
からっぽ
永久に続いてく
この螺旋
いつか
いつの日か
断ち切ってやる
ぶち壊してやる
この螺旋
今は亡き…
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空高く飛べる
どこまでも飛べる
飛べ
どこまでも飛べ
夢か現か
気付いた時には遅い
羽根が消えて
落ちてゆく
落ちてゆく
そして確信する
現実に直面する
辛い、辛い
本物の空は
高く、高い
羽根なんかないが
いつか飛んでみせる
あの日のように
空高く
どこまでも遠くへ
飛べ
どこまでも飛べ
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風がよく吹く
暖かい日に
窓から零れ出る
太陽が眩しい
今朝のニュースでは
雨が降るだとか
言っていたが
そんなことはない
こんなに晴れている
青空のようなシャツが
風と一緒に揺れる
また今度また今度って
風が擦り抜けて行く
一つ一つ大事に取っといて
また明日思い出せば
また会えるかな
また会えるかな
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カラスが鳴く
夕暮れ時
砂場の子供も
もう帰った
公園に一人
カラスと二人
鳴けども鳴けども
何も変わらず
何故か健気で
何故か素直で
愛しくなる
周りの景色に
混ざってきた頃
カラスは飛んで行った
僕をのこして
飛んで行った
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テレビの中覗くと
AとBが言い争っている
政治なんて、貪欲な肥えた権力者がするものだ
先入観の塊のC
人間の根本は変えられない
原動力は欲
どうにかならないものか
今までどれだけの人間が考えたことか分からない
もともと分かるはずがないじゃないか
ただの凡人のCじゃな
AはBはまだ言い争っている
Cはもうテレビなんか見ちゃいない
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初めましてって言われたから
初めまして
こんにちはって言われたから
こんにちは
さよならって言われから
さよなら
ありがとうって言ってくれて
ありがとう
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秋の終わり
夕日見ながら
自転車こいでた
風と共に
赤い光りが押し寄せる
家の蛍光灯より
明るいかな
大人になったら
思い出になること
この何でもない
風とか空気とか
恋しくなるんだろな
揺れる髪に
ほんの僅かな
シャンプーの臭い
今日と共に
消え行くのなら
しっかり覚えておきたい
思い出になるように