詩人:灰色 | [投票][編集] |
此処に傷を癒しにきてた。
此処で雨宿りをしてた。
此処に温もりを感じにきてた。
此処で慰められた。
いつも。いつも。
孤独を抱えた者同士
憂いを帯びた者同士
そう思ってた
此処を俺の居場所にしてもいいのかな?
俺は此処で安らいでもいいのかな?
何だか無性に不安になってくる。
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俺は、何をしたらいい?
俺は、何処にいればいい?
最近、なんも分からねえんだ。
俺の正義って何さ?
俺の守りたいもんって何なんだ?
俺はどんな風に振舞えばいい?
居場所が欲しくて足掻いてみた。
人を疎んでみた。
孤独や沈黙を当たり前のように
さらりと纏ってみたいと願ってみた。
なんだか全部意味ないし、
なんだか全部空回ってた。
結局俺は、俺から抜け出すことはできなかった。
俺を拒みたかったのに。
俺は何をすればいいんだろう?
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人はヒーローが好きなもんだ
そして大抵そのヒーローは虚像だ
紙の上に生きる人々や、
画面の向こう側に生きる人々は
5割、こちらの理想で
5割、こちらの都合で出来ている
現実に俺らが愛する奴らのように
期待や夢を裏切りはしない。
ヒーローは
でっかく見える薄い光だ。
だが、俺がどんなに格好つけても
その薄い光にゃあなれない。
何の気負いも、過去も、
守るべき人も手にしちゃいない俺は
ヒーローにはなれない。
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出かけようか。
金も目的もないけれど。
本屋に行って、
本、読み漁って。
コーヒー牛乳のパックにさした、
ストローくわえて。
明日のことは、明日の自分に押し付けて。
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現実は理想とは、程遠い。
夜は明ける。
だけど、明けてほしくない夜だって
あるんだ。
理想が踊る夢を見た夜は、
太陽に休んでいて欲しい。
朝は、現実と同じだから。
たとえ、夜の見せる幻にいつまでも
縋っているわけにはいかないと、知ってはいても。
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俺はいつも逃げているだけ。
俺はいつも格好つけているだけ。
俺はいつも求めているだけ。
俺はいつも分かった振りをしているだけ。
何か確かなものが、
何か変わらぬものが、
何か護りたいものが、
何か決して俺を裏切らぬものが、
欲しい、欲しいと
駄々っ子の様にごねて、自分勝手に涙を流す。
それなのに、人の前じゃ格好つける。
誰より臆病なのはこの俺なのに。
全てをわかっている振りをして。
自分で目を閉ざして真っ暗な道に、
しゃがみ込んでいるのはこの俺なのに。
進んでいるかさえ分からないのに。
しょうがないさ、と自分自身に見切りをつけて。
現実が嫌いで、ヒーローが欲しくて。
そんなヒーロー、俺の前には現れないのに。
ヒーローになりたくて。
完全無欠なスーパーマン。
俺には無理だと知っていながら。
声色の変わる自分が嫌いで。
そのクセ、どうしようもないと
わざとらしく溜め息吐いて。
俺はどうしたら自分が嫌いじゃなくなるだろう。
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小さい頃は泣きじゃくった。
何時からだろう?
涙が流すものになったのは。
声をあげて泣くことが
殆どなくなったのは。
いいことなのか、わるいことなのか。
分かりはしないけど。
喪ったのか、得たのか。
分かりはしないけど。