ホーム > 詩人の部屋 > 壬治の部屋 > trust

壬治の部屋


[61] trust
詩人:壬治 [投票][編集]


すこし震える指で
靴紐を直した
約束も何もない未来に
清々しさすら感じて
この一瞬が
余りに美しいから。

月明かりが
照らしている夜
小道のつづくその先に
待つはずの結末を
期待したりして
また泣いた。

勘違いしないで
心残りなどないよ
あるとすればそれは
たぶん幻なんだよ

ありったけの夢を
詰め込んで船出
命の意味を知りたい。
天が色づくような
空気が甘いような

この頃の前兆に
ふたりはもう気づいてる。

2015/07/11 (Sat)

前頁] [壬治の部屋] [次頁

- 詩人の部屋 -