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壬治の部屋


[63] 前のめりな空の色
詩人:壬治 [投票][編集]



「空が笑わない?」

「それはきみが
下ばかり向いているから」

まだ、忘れてない
覚えてる

君の言葉に
はっとして
うなずいた日のこと。


ときめくことを忘れてた

本当は本当は
愛したくて
たまらなかったのに

自分に嘘ついて
他人に嘘ついて

プライドを守りつづけてた

僕は羞恥心のかたまりだったね


手探りで
みっともなくて

出来そこないで
居た堪れなくて

でも、あの日よりずっと
いまは生きている
そんな気がするんだ

上手く言えないけれど


何か特別なことが
できるわけじゃない

でもすでに特別なんだ
きっとこのイノチ

まだ君の手だって
摑まえられる

傷つくことを怖れて
歩き出すのためらってちゃ
ダメだよね

2015/07/17 (Fri)

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