柩と手紙と涙と共に
君は骨になりました
硬くて白くて香ばしい
ただの骨になりました
輪郭を眼で追って
骨に面影を求めました

ほどなくして諦め
骨は骨だと理解し
私は大人になりました

届かぬ影を追いかけて
私は現在迷子ぎみ
頼みの影は蜃気楼
遠目では見えるけど
近付くほど薄くなる

眠る時も手を繋いだ
夢かうつつか幻か
共に二人で夢の世界へ
寄り添い歩いていけるようにと

泣き出しそうな雨空も
不吉がよぎる暗闇も
全ての暗い風景が
佇むアナタを引き立てる
晴れた時には気付かない
雨の時こそ笑顔は輝いた

晴れた空が綺麗だと
私にはとても思えない
いつでも輝き放つのは
悔し涙と夢への光
楽しそうなその笑顔

私の煙草は平和な煙草
濃くて深くて甘い香り
あなたが好む
愛しくてやまない
平和の香り

言葉にできず
言葉にできず
逆巻き嘔吐するほどの感情を、私は憎しみを込めて『くるしみ』とよんだ

胸が痛いから
私は煙草を吸った
スーっと楽になって
煙と共に涙が零れた

吐き出すのは白い息
感情を乗せて
苦しみも悲しみも

寒い季節だというのに
君はどこへ行くのです
東や西や南や北にも
君の姿は見あたらない
上か下か、もしくは中央
行先くらい、手紙に書いて残せばよいのに

堪えた涙が心に落ちて
出来上がった水溜まり
それは誰も気付かない
君だけの強さの証