泣き虫なあの人の為に
涙の後笑えるよう
この詩を書いてみた

頬を伝って地面へと
落としてみせた青い種
きっと咲くのは青い花
泣き疲れて俯くと
貴女の涙で咲いた花
空を映した花畑

細い枝は君に似ている
川の音は君に似ている
石ころが君に似ている
雲の形が君に似ている

今の私の五感に入る
音や光や匂いや感触

それら全てが
いつか見た君の幻

深い心の傷跡を
私は愛し、抱き締める

私の宝は胸の中
傷つく者が手に入れる
誰かの痛みを知る心

苦しい時に苦しいと
悲しい時に悲しいと
言えないことで
どれほど損をしただろう

馬鹿な私の馬鹿な心
痛みには慣れたくせに
『大丈夫？』
たった一言で泣くなんて

笑った君の横顔を
瞼を閉じて焼き付けた

ほんの刹那の瞬間を
瞳の底で永遠にして

血がでたので
包帯を巻いた
血はとまったけど
痛みは消えない
誰か麻酔をください
とびきり強いやつを
私の心に打ち込んで

雨よ降れ
悲しみ抱く人の為
涙を零す人の為

誰かが今日も
生きる強さを求め
君の故郷を眺めてる

今はもう
他の人のモノなのか
柔い唇、優しい手
溶けるような囁きも

鏡を見れば
間抜け面の意気地なし
誰だよコイツと舌をだし
中指たてた間抜け面

何気ない心は
何気ない言葉で
何気なく泣いた