スマイルの部屋
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[54] 捕らわれて
君が放つ悲愴の気配
魅せられて近づいて
捕らわれた私の心
撫でようか、
抱きしめようか、
望むのならばいつまでも
君が私を離さぬ限り
2010/12/22 (Wed)
[55] 重力
あの時、
あの瞬間
もしも地球が無かったら
空の果てのその先へ
二人で飛んで行けたのに
2010/12/22 (Wed)
[57] 星の名前
あの星の名前は知らないけれど、どこで輝いているのかは知っている。
君の好きな景色から
向かって右手
控えめな輝きが
君に似ている一番星
2010/12/22 (Wed)
[58] 探し物
夢も無いくせどこへ行く
訊ねる私に微笑んで
夢を探しに行くんだと
視線の先は高みの果てへ
立ち去り際の
『またいつか』は
滲む視界の背中ごし
2010/12/23 (Thu)
[59] 午前六時
腫れた瞼と浮腫んだ顔を、きっと貴女は笑うのでしょう。
額をなでて、袖で涙を拭うのでしょう。
そっと頭を抱き寄せて、再び寝息をたてるのでしょう。
だから私は大人しく
声を殺して耐えてみる
私の涙が渇かぬうちは
貴女が目覚めてしまわぬように
2010/12/23 (Thu)
[60] 心臓
甘い愛の囁きに
耳を寄せることもなく
夢見心地に抱きしめて
貴女の音を聴いていた
2010/12/25 (Sat)
[61] 比例
笑う時間が多いほど
泣いた時間は刹那的
死ぬまでに
なるだけ笑えよ人として
看取られる時でさえ
笑顔が頭に浮かぶほど
2010/12/25 (Sat)
[62] 無色透明
私の描いた夢の絵に
貴女の色を加えよう
無色透明思いのままに
吹き込む景色は魔法のように
見えぬ輝き引っさげて
塗りたくるは貴女色
2010/12/25 (Sat)
[63] 音無の声
救いを求め俯く人よ
語らぬのは何ゆえか
悲しむ心を踏みにじり
強がるのは何ゆえか
悲愴の言葉を持たぬ者
瞳に宿る寂寞は
語ることなき音無の声
2010/12/25 (Sat)
[65] メール
泣いてたのは知っている
気づかぬふりも礼儀かな
彩る絵文字の表情は
変わらず不快なにやけ顔
2011/01/01 (Sat)
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