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こうもりの部屋


[3] 残り香
詩人:こうもり [投票][得票][編集]


急いで飛び乗った夜間バスは

週末の酒気と倦怠が渦巻くように込み合って

僕は会釈を言い訳に席を占めた






絡め損ねて所在なげな君の指は

別れの合図のようにぴんと伸びて

僕はただ笑って目を背けるしかなかった





闇を貫く都市高速を

重たく唸(うな)るバスの中で

僕を包んで離さない

君の残り香

もう終わったはずなのに

僕を包んで離さない

君の残り香





2008/09/21 (Sun)

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