多くの人は詩をつくらない
なぜならその人自身が詩そのものだから
詩になれなかったぼくらは
ぼくらのいない世界を眺めながら
ときにはじっと観察しながら
詩そのものである人々のことを
ひとつずつ文字に起こしていくんだ
それはとても孤独な作業で
それをしたからといって何かが変わるわけでもない作業で
無意味だとは知りながらつい一字一字に心を費やしてしまい
そのうえ出来た詩を誰にも見せられなくて机にしまってしまい
たいして利得のない反復作業を
詩になれなかったぼくらは続けてばかりいる
2009/11/02 (Mon)