空を飛びたいから飛行機をつくった……

海を渡りたいから船をつくった……

迷わないように道をつくった……

始まりは単純
恋もおなじ


子供が欲しいから恋人をつくったのか？
性欲を満たすために恋人をつくったのか？
寂しいから恋人をつくったのか？

違うだろ
そんなのは恋じゃないだろ


たとえ空中にいようと
たとえ海上にいようと
たとえ道に迷っても

メリットを考えずにそばにいたい……

そんな気持ちが恋だと思う

今はただ眠るだけ

嫌なことも
悲しいことも

少しだけ忘れたい

だから今は眠るだけ

明日という名の現実に

立ち向かう為の体力と勇気

それらをそっと……夢に求めた

叶えるより、追いかけるほうが幸せだと

気付いたときにソレはなかったけど

頭痛がする。
熱もないし
飯も食ったし
恋人もいる
かなり恵まれている
でも
頭痛がする。

手のひらサイズのケータイが 僕らの距離を錯覚させる


小さく冷たいケータイが まるで君の手のようだから

ピンク色の絵文字が 毎日毎日液晶にうつしだされるものだから

手を伸ばせば触れられるような まるでそんな距離から声がするもんだから


だから
そんな調子で 僕らの距離は狂いだす

二人を繋ぐはずのケータイが
唯一の君の気配が
触れ合う感覚を忘れさせ 互いの顔もわすれさせ
それでもデートした気分にさせてしまう

そして僕らは距離を錯覚していく

慣れない絵文字を埋め尽くす

笑顔に太陽
音符とハート

君の返信はいつもとかわらないけど

眠る君の傍らで、そっと煙草をくゆらせた
明日の見えないこの恋を、煙草の煙でごまかすために

左腕が疼く

本能が動かし
理性が留める

触れない
触れる資格もない

時計よマワレ
君と会えるその日まで時計よマワレ
マワレマワレ

効率が悪いって？
他人に媚びろって？
理想の見過ぎだって？

親ならもっとマシな生き方を教えてくれよ
理想がなくてどうやって生きろって言うんだ