詩人:かし | [投票][編集] |
咲き始めるのが春
散り始めるのが秋
そんなイメージがある
読書の秋だ
スポーツの秋だ
食欲の秋だ
過ごしやすい季節だ
涼しくなるのだから
出会いの春だ
別れの春だ
沈黙の春だ
花粉症にも辛い季節だ
涙が止まらないのだから
だからなのか
秋がよい
春はあけぼの
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酔っていて寄ってって
椅子のないテーブルに
腰掛けて待った
なんだこれは
あんだってんだそれは
こりゃそーか
グラノーラ
真面目な話
美味しいよこれは
シリアルな私
分かるのリアリ?
分かった素直に
言うよゆーよ
それではリピートアフタミー
1、2、3で
ゲロゲロゲロゲロー
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私は今
焼かれている
太陽とにらめっこをしているかのような暑さの日
この道路は日本の西全てへつながっている
暑さで踊るナンバープレートから
めざとく見つけた不思議を問うてきた
相撲ってどこなのだろう
私が十八の頃に抱いた疑問と同じものを
この子は七歳で見つけた
陽も落ちて
ボンネットに手をついても大丈夫な頃
玄関でお迎えをもらい
私は車を停めてくるからと
田んぼを少し行った
あの子も私も祖父母が好きなのは同じだ
私も甘いものをくれる祖父母が大好きだった
あの子にとっては
怒らないしお小遣いをくれる
といったところなのだろうか
積もる話も詰まらない話も
あまり多くは出来ないものだ
場所を変えただけで
話す二人は同じ
そんなことだけなのに
何故か初々しさを感じてしまったり
今日は子どもにとってはつまないだろう
兄として妹の面倒を見てくれれば助かるが
私が嫌いだったのに
興味をもつお前はやっぱり
すごい子なのではと親バカだったりする
また来ると言って車に乗る
バックミラー越しに
昔のままの故郷が
ほんの少し写った気がした
私は愛されて生きてきて
今は愛して愛されている
そしてこれはからは
愛してだけいくのかもしれない
僕は今
焼かれている
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私は今
暗い部屋でこの手紙を書いています。
これといって書くことなど見当たりません。
がしかし、窓から差している
月明かりを便りにして
あなたに手紙を送ります。
手を月
手らし
またひとつ多った
間借り
浸すら進む
湖の月を
気味も汁か
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不機嫌な顔しているよ
なんにも考えていないのに
いつもあなたは必ず遅れてくる
それなのに笑顔はおかしいんじゃない
本当に嬉しくても
素直に笑わないから
いつもはっきり言うの
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誰の涙かなんて
誰も知らないはず
誰かの涙が流れたって
誰しもが知っているはず
そんなもんだよ
飲み込める自分がいてよかった
なんでなんだよ
物分かりいいのがなんか腹立たしかった
意味のない仮定で
今の足場を見失いそうになる
いつかは慣れるのだろうか
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張りつめて張りつめて
最後に言った一言で
こんなに縛られるなら
しぼんでってしぼんでって
最初に言った一言を
なかったことにすればいい
悲しいことを悲しいと言えないなら
幸せなときにいつも笑顔でいて
怒るときは頬を膨らませて
楽しいときに楽しいと言って
素直な気持ちが言えないなら
変わらず気のない素振りをして
どこかひとつに気付けば
あとは分かってあげられるから
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誰かにそう思われたから
私は熱を奪われてしまうのだろうか
自分の、他人のなんてことない行動が
閉ざした扉に光をあてる
皮を撫でてゆくだけの風が
私の身体をすり抜けて
心を奪い去って行く
何も考えることが出来なくなる
ぽっかりと穴が空き
私は沈んで行く
分かっているんじゃないんだろうか
誰かがお前に傷付いて
そして消え去ってしまえばいいって
そう思ったことも
理由は自分の及ぶところではないことも
うなされて汗をかいて
目を開ければ光る星が眩しくて
誰か遠ざけてくれないか
もう閉めきって空は
青色が滲んで境界をなくしてゆく
風はもう吹くことはない
もう奪われる熱すらない
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手が冷たくて目線を下げたその向こうに
あなたが歩いてくる
いつも気付けばよかったと
後になって思ってしまうから
これだけ道が広ければ
それだけ見違えることだろう
それだけ離れているのだろうか
どこまで歩いて行くのか知らずにいる
振り向けば小さくなる背中を追える
まだ間に合わないことはない
けれど走り出す勇気がなくて
あの扉を開けてしまった後だから
指先がまた冷えてしまうのを
怖がってしまっている