詩人:竹村章紗 | [投票][編集] |
手を触れて
目で見つめて
光はコスモス畑を突き抜けて
散った花びらは感性になり閃きになり
全身に吸収されてゆく
秋は終わりの季節じゃない
新たな世界の蕾に水を与え
迫り来る雪をも溶かす
色鮮やかな花を咲かせるだろう
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違うの
嫌いになった訳じゃないの
行かないで
追いかける両想い
あなたとの3年の蜜月にピリオドを打とうとしているのは私
理屈じゃどうしようもないこともあるの
それでも夢に出るほどあなたを想ってる
今のあなたは私がいなくなるなんて考える余裕すらないでしょ?
好きだなんて言わないで
もう遅いの
追いかければ追いかけるほど
どんどん離れていく距離
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「少し放っておいてくれないかなぁ」
また言われたこの言葉
無機質な文字に隠れる
ウザったい
心配なんだよ?
気になるんだよ?
少しでも気持ちを楽にしてあげたいんだよ?
そんなに沢山様子伺いしてないのに
間違ってる?アタシ
二人でいようとして一人になる
カラカラカラカラ空回り
今週末もまた逢えない
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蘇る
あの時感じた胸をすり抜ける風
リターンではなくリスタートを遂げたあの日
残暑を奏でるメロディーが
私の歩みを支えてくれた
あの頃に戻りたいとは思わない
でも
風とメロディーが蘇るその度
涼しげな切なさと苦しさが
歩みを止めない
私を立ち止まらせる
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この涙がアイスクリームになればいいのにな
君の発想は不可思議で
たった今終わった
恋の悲しさなど
まるでないかのように
僕に笑って見せる
それなら僕はスプーンになるよ
溶けてしまったアイスクリームをすくって
君の痛みを飲み込んであげる
無理しなくていいんだよ
僕の前ではありのままの君を見せて欲しいんだ
今はとりあえず
僕の想いは隅に追いやっておくから
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眠った街をすり抜け
私は一羽の鳥になる
路上の子猫は怖いけど
可愛いあの子の寝顔が見たい
あの子の部屋の
窓越しに顔を寄せをよせ
独り言のように
「おやすみ」と呟く
あの子が幸せになりますように
あの子が涙をこぼしませんように
そう願い虹色の羽根を一枚残して飛び立つ
眠った街をすり抜け
飛び立つ私は鳥
平和を願う一羽の鳩
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ポストには小さな花束が
ゆっくりゆっくり
あなたの歩調に合わせて
歩んでゆく
あなたの老いから
目をそらさぬよう
しっかりしっかり
あなたを目に焼き付けてゆく
一年に一度のこの日を
喜びの涙で溢れるよう
どうかこの先もずっと
愛の鎖で繋いでいてください
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「仲間」が嫌いで
「一人」が好き
それなのに
「一人」になると
「仲間」が恋しくなる。
迎え入れてくれるのを待つばかりの
受け身の姿勢では
何の進歩もない
狭く浅くでもいいから
自分から動き出せ
世界を創るんだ
あなただけの世界を
壁の中の生活は傷つかないけど苦しいだけ
透明の瞳で見回せば
世界も仲間もそんなに怖くないよ