詩人:はちざえもん | [投票][編集] |
絶望から端を発したあなたの物語は 歪んだ世界の真実と、それを打ち砕く現実の狭間 いつだって内包したまま、それでまたクルクル回っている。
生まれたことを嘆くのも
愛されて得る喜びも
過ぎし日には跡形もなく消えていく
それでも切望する。僕らの記憶
そっと手に触れて感じた温もりは 生きる物の熱源
孤独に震えるこの部屋で 確かに感じる36℃の熱源
喜びも悲しみも絶望も希望も あなたから放つ真実の世界
何の気なしに流れた日々も あなたを構成した一部分
無口な群衆を抜けて、息をつく三秒 色のない街に冷え込んだ朝だ。
白い息が宙を舞う。少しばかりそんな遊びに興じていよう
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俄か雨がついた嘘
僕を左右へ揺さぶるsunny day
俄か侍、仰ぐ空
足元から崩れて書き殴ったsunny day
肝心な時にはいつもない
そんな贋物には興味がないのよ
乗ったり反ったり大変、ねぇさん
雁首揃えて御前に出立
道理に生きて道理で死んで
どーりでこんなに大変なんさ
甚振り過ぎたのサニーデイ
あぁガラスの破片が落ちてくる
追従一途な主君に万歳
その気がないなら何も言わずに
飛沫を上げる水滴などでも見ていておくれ
堪んないよねsunny day罪なんてないのに
雁首揃えて御前に出立 書き殴ったの
sunny day
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夢を見て目覚めた 赤い平原と一刻の時間 傀儡を壊しては笑う 子供たちの横顔
暗闇の差し込む部屋とは おそらく僕の脳の中 川辺で積み上げた石は また元通り
赤い平原で一刻の時間 僕は傀儡を壊しては笑う 子供たちの横顔を殴りつける
感触がこびりついて離れない その姿は異形の鬼子 目覚めてから気が付いた 僕は鏡を見てただけ
歪む横顔でまだ笑っている 嘲るような悲しむような 僕は傀儡の糸を切る 音を立てて崩れてく
少しずつ崩れていく自分を、水槽の外から眺めているような感覚。
僕が僕自身として重なり合せた傀儡の屍
目覚めてから感じた 自分が自分でないかのような感覚。時間が流れていないかのような感覚。
「今まで全て夢だったんだよ」
ある日、目覚めて誰かが僕に言いそうだ。
夢を見て目覚めれば 違和感は残れども何も知らない
目覚めの良い朝が始まり 今日も昨日をループする
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誰も知らない 昔の話をしよう あの日、夏草の揺れる小麦畑で 血塗れのピエロを捕まえた時から 全てが変わってしまった
穏やかだった景色も 豊かな小麦畑も 僕らを暖かく包んでいてくれた故郷も そこに住まう人間も
どうか理解して欲しい 何も知らなかったなんて言い訳にもならないけど 確かにここ生きていて この場所で幾つもの思いを共有していた
こうして赤い夕焼けを眺めていると 血塗れのピエロを追いかけて 最後に伸ばした右手の感覚が 思い起こされてならない
幼さゆえの過ちなのか 償いきれない罪なのか 機械仕掛けの夢が 崩れてゆく感覚を あの時から今までずっと 味わっている
僕の捕まえた血塗れのピエロは 決して触れてはならない元凶だった 全てが崩れた場所に一人 残されたのは境界を侵した僕だけで
あれほど満たされて尚、何を欲していたのだろうか? 苛まれる罪の意識が きっと僕の贖罪の手段
こうして戻りはしない日々を思うと 人の世の無常を思うの 全てはあの日、血塗れのピエロ 決して覗き見てはならないものだった
こうして荒野を見渡していると この土地の豊かだった過去を感じるの きっと触れてはならないものだった だから語りべは今日も謡う 過ぎし日々の苛まれし罪と罰
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ぽんたの刻むメロディーは衝撃なのさ
勢い任せのラッパー共とは一味違うのさ
解りもしない英語でメッセージを伝えるなんて愚かなこと
僕らのぽんたは絶対にしないのさ
ぽんたの目指す夢は壮大なのさ
我が侭放題の現代っ子とは一味違うのさ
ブランド固めで金の芽を探し当てる冒険なんて
僕らのぽんたは絶対にしないのさ
ぽんたの流す情報はハンパないのさ
ご都合主義だらけのマスコミとは一味違うのさ
権力や金の力に情報を歪曲する事なんて
僕らのぽんたは絶対にしないのさ
ぽんたの歩いた道は茨の道なのさ
温室育ちのお嬢様とは一味違うのさ
誰の陰口にだって安易な絶望をすることなんて
僕らのぽんたは絶対にしないのさ
ぽんたのセンスは尋常じゃないのさ
流行追いかけるあんちゃんとは一味違うのさ
型にはめられた個性を誇りあう様な事
僕らのぽんたは絶対にしないのさ
ぽんたの溢れ出る優しさは仏様並なのさ
狂気を装う小心な詩人とは一味違うのさ
何も考えず、何の行動も起さないなんて事
僕らのぽんたは絶対にしないのさ
ぽんたの紡ぎだす精神は衝撃 クスリ漬けで人ではなくなったけれど
ぽんたの哲学は唯一無二 誰も見向きはしないけど
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急に響いた頭痛は無視して 街を闊歩しよう これは一種の挑戦 或いは至極、個人的な怨念 痛みが無視できなくなる頃、朝日が昇り 出来レースが今日も始まる
情熱を注ぎ込んで 善悪論を論じよう 真っ当な考えを優先して装えばそのうち 取り返しのつかないミスを犯す
或いは情熱 或いは本能 それら不確かなものに突き動かされて 曖昧ながら結論を下して
急な頭痛は無視できるまで 何も感じなかったことにする 或いはそれが運命を分かつ重大な局面だとしても 僕は後悔しないはず
或いは恐怖 或いは理性 それら不必要なものを振り払って 判断力が鈍る前に
聞き取れないほど小さな声で そういった曖昧な感情を焚きつける言葉を呟いて カウントダウンは始まっている
そう、これは復讐
銃口を構えて、
今!
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海辺で佇むあの人は
帰らぬ人を待つんだと。
渡瀬舟が沖に立つ
水面が揺れて影を踏む。
とうに消えてる温もりを
忘れぬようにと抱きしめて
今日も帰らぬあの人を
波音近くで待つんだと。
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あなたがいなくなったのは月曜日の事で、
火曜日はまだそれに気が付かずにいた。
ようやく異変に気が付いたのが水曜日。
木曜日にはまだ何かの間違いとも思えたけれど、
不安が確信へと変わった金曜日。
取り立てて変化もなく仕事に追われた土曜日。
日曜日にはただ無為な時間を延々と過ごした。
一週遅れの涙が頬を伝う時、二人の思い出を振り返るの。
私とあなた、あなたと私。
そしてまた月曜日が始まる。
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昔話に おあつらえ向きの陽気さ
あの日、死神の日向ぼっこ 確かに見たあの化け物は
最早、恐怖を通り越した人の織り成す滑稽な何か
砂上を天下と、揚々駈け出す幾許の空
夏草と荒城、勝どきを挙げるのは誰だ
冥土の土産に抜け駆け功名
縁側語る昔話を
思い返して夏が終る
居場所を見つけたなら、その時は
高らかに泣け
勝ち負けなんてあってない物よ、なんて縁側で呟く
夢の如き日々が去り、思えば儚き幾許の名
それぞれが相応しい場所で役割を演じる
そこに人がいて時代が彩る
死神のアクビを横目に 儚き夢を見た
夏が終わりを告げる
潮騒の音、夏雲が降りていく
夕日に例えて孤城落日
向日葵の匂いを振り撒いて、
爺が死神相手に縁側で笑っていた。
落ちて覚めない夢ならば… 夢は遠き幻に近し