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はちざえもんの部屋


[126] 赤い球体
詩人:はちざえもん [投票][得票][編集]

太陽が昇って 安らかな腐敗が始まる。
そこから二人の生活が始まった。


生があって、その対照としての死があって、
その間にあるのは、明らかな断絶。

時折、覗かせる赤い球体
誰もが皆、それを太陽と呼ぶ。
漠然と皆、それを太陽だと信じている。



そして今日も日が昇る
地平から覗く赤い球体を
僕は彼女と眺めてた

「影が遠くに伸びてって、家の中にまで浸食する!」
「よく見て!あれは太陽なんかじゃない!」

パニックに陥った彼女は
ベランダから身を投げた


そしてまた一人きり



赤い球体が輝きを増す
それが太陽ではないと気が付いた時、
僕もまたベランダから身を投げた。

それが正しい反応だと確信をもったから

2010/01/05 (Tue)

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