あたし、馬鹿みたい。あなたはいつもいつも優しかったけど決して強いわけじゃなかったのに。運命だから逢える、なんて言葉に酔って自分から1度も動かなかった。運命はあたしの手で掴まなきゃいけなかったのに。ごめんね。あたし、今すぐ駆けていくわ。だから。白く空を濁す雪の中どうかどうかひとりで俯いていないで泣いていないで立ち止まっていないでもう、あたしが幸せにしてあげる。「ねえ、抱きしめていい?」
[前頁] [halcyonの部屋] [次頁]