「脳みその重さってどれくらいか知ってる?」「およそ1300グラム、なんだって」「あんたバカだからそんなに重くないかな」「でも、願いだからどんなにバカで頭の中が空っぽだって、」「あたしを忘れないで。忘れないで、いて」「…忘れるわけないだろ」ひとり、雨の中。腕に抱えた白い花束。冷えた墓石にそっと、触れた。「おれは、今だってこんなに」「なあ、」1300グラム。たったそれだけが今も、君を求める。
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