詩人:タンバリン | [投票][編集] |
どこで生まれ育ったのか
ヨークシャーテリアの犬
人なつっこくてかわいいね
おいしそうにえさを食べる
やわらかい部分がある
大福にも、僕達の心にも
恋人だったら触れてみたいね
触れさせたいとも思う
ヨークシャーテリアの犬が死んで
そのニュースで街は持ちきり
命日は突然やってきては
悲しみの代名詞に変わる
やわらかい部分があるんだ
出来事にも、僕達の心にも
感じないのならそれでいいね
触れさせたいとも思うけれど
優しい柄の毛布がひとつ
鈍感な壁の中に入っていて
青く冷たい鉛の球が
その真ん中へと落ちていく
毛布はやわらかに
いくつものしわをつくる
そしてもう、
しわだらけなんだ
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今朝はあんなに寒かったのにドアを開いたら雪が無かったから不思議だったんだ。
昨日何か素敵な物を見つけたはずなのに今日には忘れてしまってる。
僕の近所のおじさんが長話を続けてるから、僕は赤い車のオモチャで遊んでたんだ。
おじさん達は僕の知らない言葉をたくさん知ってる。ウラギリだとかジサツだとか。僕だってひよこがにわとりになる事を知ってる。
赤い車のオモチャの握る部分が壊れたから、キミドリの乗り物を探してる。
おじさん達は長話を続けるけれど、僕はそんなのちっとも気にしちゃいない。
歪みの広がる世界だから、僕はそこから感覚の何かを拾う。
それで僕の犬の小屋はガラクタでいっぱいになった。キミドリの乗り物を探して。
夕焼けってあんなに美しいけれど、本当はなんなんだろう。お母さんですらいつか死ぬのに、夕焼けってあんなに美しいんだ。
人生って儚いものなのかな。人生って儚いものなのかな。僕はそんな事を考えたくない。
キミドリの乗り物を探してる。
人生って儚いものなのかな。人生って儚いものなのかな。
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この塔に登っていくと、
10階ごとにコンペイトウが貰えるんだ。
そいつは回を増すごとに、立派なコンペイトウに。
ある時、ある男がその塔を登っていた。
その男は随分高い所まで登っているのに
コンペイトウをみんな、周りの人たちに渡してしまった。
それでも、彼のコンペイトウは尽きなかった。
いつの間にか、キラキラ光るコンペイトウを持っていたんだ。
彼すら気付く事もなく。
譲れない意志を持ちながら、
手に入れてきた物をみんな、周りの人に渡す様な。
その物持ちの仕方、意志の持ち方。
そいつができれば決して持てる物がなる事はない。
それにまつわる、
この話。
でも、
きっと、それは。
誰のポケットにも…
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明日君はおどろくほど健康で
雪を拾いに、街へ出るよ
初めてスライムに触れるような
不思議な気持ちで
昨日君はものすごく寂しくて
トリコロールのパン屋さんへ行った
エメラルド ルビー
少しでも綺麗な事
液体ガスのタンクが破裂して
ミドリの魔法瓶が空へ飛んだ
それだけなんだけど、
そんな事が、起きたんだ。
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‥‥
ブンブンブン
くるまがとおるよ
車道をブンブン お日様バンバン
急カーブもブンブンブン
4速、5速、ブンブンブン
トゥートゥートゥー
くるまがとおるよ
くまさんシュンシュン まねしてぼくも
ひだりてシュンシュン
みぎてもブンブン
そうさふのうだよ
‥こんな詩をかいても、どうしようもないよ。
うん。
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オレンジに染まった町並みには
色んな家が建っていて
夕日でベージュに染まった洗濯物は、
少しの風に揺らめいています。
はてさて僕はこの町で、何を探してたんだろう?
小降りの雪も降り終わり、アスファルトが雪を溶かしていきます。
誰の手下げの中にも、『それ』は入っていなかったのです。
奪ってそれを知ったのだから
僕はきっと、悪を背負うのです
徐々に徐々に。
アスファルトが雪を、溶かしていきます
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君と僕がいれば
あと、『ごはんですよ』があれば何もいらない。
なんてね、ちょっとクサイかな?
いや、『ごはんですよ』の臭いの方じゃなくて。
馬鹿にしないできいておくれよ
みんな、一人一人の言い方があって
これが、僕の言い方。
そうだよ
生き方ぐらい、僕たちの自由なんだ。
固まらずに、一緒に行こうよ
嫌でなかったらさ、
生き方ぐらい、僕たちの自由なんだ。
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リモコンがない。
そうか、
リモコンの国に帰ったのか
そんなお前にも
帰るところがあるんだな
エアコンつかないけど
年明けまで待つよ
俺にも?
どうかな‥‥
行ってきなよ
何も気にせずに
楽しんでおいで
片付けなくちゃね
この一年を
片付けなくちゃね
七色の泥団子
羽のはえたクマも
鏡餅、送ろうか
本物のミカン
上に乗せて
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なんてったって、
俺の車は四駆
こないだシャーシを軽くしたよ
本気だしたら結構速いぜ
ミニ四駆だけど
そういや公園でね、
鳥がさぁ、こう、すごく翔んでて
その中の白いやつ。
あれ、なんか良いよな。
俺、追いかけたよ、2キロくらいかな、
そしたら学生にぶつかってさ、このザマなんだ。はは。
やっぱ俺って、もう・・・。
いや、なんでもないよ、はは。
―いつも一人のクルーマン
暖かかった日々を思い出した
去年のクリスマスも、おととしのクリスマスも
クルーマンはお願いしてた
どうか、ほんの少しの愛を。
また、クリスマスが来るんだね。はは・・・
いつも一人のクルーマン
涙が、出てきた
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ところでチャッピー
用事は済んだかい?
チャッピー、
君の飼い主は本当に―
ところでチャッピー
人間は好きかい?
やっぱり好きか
じゃなきゃ右手を噛んだりしないね
ところでチャッピー
鎖がないと、やっぱり駄目かい?
そうか、チャッピー
鎖があるから安心で
無いと不安で走れない
なぁチャッピー
少しずつ、やってみようよ
右手を噛む程に苦しんでいるんなら
一緒に旅に出よう
毎日違うえさ食べよう
原っぱで遊ぼう
コンビーフだって、たくさん買っておいたんだ
ちぎり残った鉄の鎖が
いつか溶けてなくなるように
一緒に行こう、チャッピー