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タンバリンの部屋


[64] ボブ・ディランに憧れて
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早口なんて言葉じゃないんだよ


彼女はもう二時間半も


蛇口みたいに喋っている



時計の見方も違う、二人の火曜日



洗濯機みたいに、彼女は泣いたり喋ったり、繰り返している



僕は、彼女の気持ちの表面を歩いている


型の合わないレンチで、蛇口を絞る様に歩いている


彼女の気持ちの表面に、大きなコブを見付けて



時計は9時半。もう帰るのにも良い頃合い。



僕はそのコブをゆっくりと撫でて



彼女はやっと帰り支度を始める



まるで時計の針みたいに、



そこからは僕ら、規則正しく離れていく。


僕も、君も、生きる事を急ぎ始めている



時計の針が、近づいてしまう前に



僕も車に乗って、夜のパジャマを着込んでいく。

2015/08/14 (Fri)

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