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波瑠樹の部屋


[34] 最後の積み木遊び
詩人:波瑠樹 [投票][編集]

僕と彼女の積み木遊びは
一風変わっていて、
そこにはルールがある

積み木を積むのは、彼女一人の役割
完成するまで僕は手を出せない

彼女は喜怒哀楽の様々な積み木を
巧みに積み上げ、
一番頂上には「愛」の飾りを乗せる

完成したそれを見る度、
どこかクリスマスツリーに似ていると
僕は常々感じていた…


彼女が満足気に完成させたそれを
一気に壊すのが僕の役割だ

一番上の愛を払い、
両手で抱き締める様にして崩す

ガラガラガラガラと激しい音を立て
四方八方に欠片が転がって止まる…

彼女は、
その欠片を眺めるのが好きらしい
僕に壊されるのが好きらしい


だが、最後の積み木遊びは違った
彼女は積み終わった瞬間
自らの手で壊したのだ

「愛」さえ乗せる事なく
完成させた最後のそれを
激しく、叩きつける様にして
壊したのだ…


積み木遊びはもうお終い
そう言って笑いながら、
彼女は去って行った…

最後に乗せなかった「愛」を
僕の手にそっと握らせ、
彼女は去って行った…。


2015/04/12 (Sun)

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