詩人:花 | [投票][編集] |
あなたは私の太陽だった
燦々と降り注ぐ太陽だった
あなたは私の月だった
暗い夜道を照らす月だった
あなたは私の風だった
雨雲、雪雲を吹き飛ばす風だった
あなたは私の海だった
すべてを受け止めてくれる海だった
あなたは私の家だった
暖かいスープのような家だった
あなたは私のすべてだった
ひとつの
たった一つの真実だった
2004.12.12
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「何処か知らない街に行こう」そう言って手を差し伸べた君に
「出来るわけないじゃん」と笑った私の
「だよな」と言った君の声色
空を駆けるトナカイと無人の雪車
乗り遅れたサンタはまだ家の中
雪
雨
霙
あの日から
出来なかった言い訳が嫌いになった
手を取って逃げ出せばよかった なんてのは
逃げ出せなかった自分への言い訳
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偽物がなんなのか判らなくなってきて
本物ってなんなのか判らなくなってきて
結局は
自分に都合のよいものが
本物だと
信じているような
願っているような
受け止めるって
受け入れるって
難しい
あの子の言ったことは
真実なのだろうか
本物と真実は
違うのにね
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こんなはずじゃ…
なんて
言い訳にもなりやしない
何やってんだ
私
いい加減 目を醒ませ
コンタクトレンズ
微調整
両眼共 1.0
見えてんだから
見なきゃいけんでしょ
脳に送る信号
心に伝わる感情
照合し認識しなきゃ
始まんねぇわな
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始まりも終わりも
雨に濡れて
色褪せたカバーを
捲ってみれば
読みかけのストーリーは
もう思い出せなかった
始まりも終わりも
雨に濡れて
最初も最後も
知らぬまま
そっと閉じた
始まりも終わりも
雨に濡れて
もう思い出さないよう
破り捨てた
始まりも終わりも
雨に濡れて
溜め息の先を見つめる
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ティモーネのカウンターで赤ワインをかたむけて
日常のウツを
デカンタする
ボルドーの向こう側
解りあえない瞳が
右を向く
素直になれない
本心を語れない
嘘つくように甘えて
気付かないように微笑む
二つ折りした気持ちは
コダマのように
優しさを叫んで
ありがとうを囁く
飲み干したグラス
覗きこんだ君の瞳が
屈折した光に溶ける
ほら
僕ら
やっぱり
解り
あえない
解りあいたい
解りあえない
解りあえない
まま
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彼が誰にでも優しいから
少しだけ怒った振りをした
困ったように笑って
キャラメルをくれた
甘くて 甘くて
笑ってしまった
ズルイヨネ
甘いもので直る機嫌を知っている
とろける様に広がる甘さが
どこか彼に似ていた
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川底が見えるくらいの
深さで
泳いでいたいと
手招きには
のらないよ
もう真っ暗なとこには
行かない
光が射す場所で
優しさに包まれて
例えそれが
真理とは遠くとも
深海で
溺れて
さし伸ばしてくれる
手などないから
自分で
泳ぎきれる浅瀬で
笑って
いたい
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日々寂しさと戦って
日々寂しさと向き合って
それは 太陽が昇るときに始まり
太陽が沈んでも終わることなく
夕闇に溶けながら
眠りに堕ちる瞬間まで
侵食していく
削りとられていく若さと
はみ出していく記憶
経験と名乗る訪問者によって
食い尽くされるemotion
昨日は笑えていたのに
昨日は泣いていたけど
今日は理由を忘れた
繰り返し繰り返し
麻痺し出して
i don't read the story with deep emotion.
日々若さは削られ
記憶ははみ出し
平淡に
平凡に
忘れていく emotion