詩人:花 | [投票][編集] |
光沢を失くしてしまった
ダイヤでも
カットされた表面には
まだ思い出が散らばっている
胸に近い場所に
いつでも心 温まるように
君がくれた優しさ
ひっそりと
主張してる
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見晴のよいあの丘に
愛という名の種を蒔いた日
貴方は 不安 という種を
隣に添えた
恩の雨は毎日降ったけど
どういうわけか養分は
両方に注がれた
しっかりと根を張ったのは
不安という名の種の方で
みるみるうちに地下に伸びた
貴方も私も
懸命に 愛を 守った
渇いた日も
濡れた日も
吹いた日も
いつか咲く 愛を 守ったんだ
ちっとも枯れない
刈っても刈っても
伸びてくる不安
先に諦めたのは
私だった
不安という種を添えた
貴方を恨んだ
私だった…
季節が変わり
通りかかったあの丘に
凛と咲く
小さな花を見つけた
雨の日も
風の日も
雨に打たれ 風に打たれ
守ったのは 貴方だった
信じることは難しい
信じることは勇気がいる
信じ続けた貴方の姿は
私に少しの強さをくれた
白く小さな愛の花
いつか実になり
枯れてしまう
されど その種子が
また愛を咲かせる
不安の種を摘みながら
負けずに敗けずに
愛を咲かせる
一輪だけの愛の花
いつか あの丘 いっぱいに
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歩いている途中
何度転んで傷ついたんだろうね
君も僕も 彼も彼女も…
人は弱い生き物です
死を恐れ
死に憧れ
人を愛し
人を恐れ
思い出を美化し
思い出に恐怖し
守ることの本質を
忘れていく生き物なのかもしれません
彼女を好きな彼は
嘘をつきました
知らない方が良いこともあるんだと…
彼を好きな彼女は
嘘をつきました
気付かない振りをすることが彼を繋ぎ止められると
生きてきた道の途中
見つけた宝物は
不純物だらけの硝子の欠片
最後はそう吐き捨てて
また傷を塞ぐのだろうか
君は僕に聞きたいことがあったのかもしれない
僕は君に聞けないことがあったんだ
小さな小石を一つ
胸に抱いたまま
もしかしたら
明日には
二つになって
僕も君も 彼も彼女も
口を閉ざして
弱さを隠し
弱いままで
聞く勇気を踏み出せず
聞かないことを信じることと
人は弱い生き物です
傷付く事に敏感に
傷付ける事に敏感に
…
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たゆまぬ努力を続けたなら
いつかあなたと溶け合い
日だまりの中
優しい風に包まれて
今日も明日も明後日も
一年後も十年後も
春を繰り返す事が出来るのだろうか
弱さを強さに変えることは容易ではないけれど
日々のあなたの言葉、仕草から
私は守られてることを知り
信じることを学ぶのだと思うのです
あなたの言葉の裏側に
あなたの行動の源に
私という存在を置いてください
それだけで
優しくなる事が出来るのです
知らない誰かに向ける笑顔にさえ
愛しく思うことが出来るのです
私はあなたの手のひらにのって
コロコロと転がり
笑顔と笑い声を贈りましょう
あなたが疲れたなら
毛布になり あなたを包み暖めましょう
あなたが空腹になったならテーブルの上 温かい食事を並べましょう
愛することは 心を受けとる事だと いつか誰かが言ったように
その手に私の心を受けとってください
あなたの心を受けとりたいと
私はいつも願っているのです
いつか溶け合い
ひとつ
に なって
言葉以上の
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夢を見た
短い時間ではあるけれど
今尚その余韻から抜け出せないでいる
深夜2時冷えた部屋に戻って既に眠る頬に手を添える
嫌がるように寝返りを打ち
それでも寝ぼけた顔で私を包み込んだ
求めている優しさと温もりが此処にある
明日に対する不安も
三者に対する不安も
勝手に抱く妄想とは云い難くて
構えて発する言葉より
ふとした瞬間に洩らす本心が
目には見えない真実を語るのだろうね
「もういいから、大丈夫だから」そう言って背中に回した腕に
「私頑張ったんだよ」
これが精一杯で
泣き疲れて寝てしまった・・・
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朝目覚めたら 陽射しが眩しかった
黄色と赤色の乱射光が早朝にも関わらず
キラキラ キラキラ 光ってた
通いなれてきたこの道で
毎朝すれ違う
おばあちゃんと挨拶を交わしてみたり
決まった交差点で会うおじさんと
歩幅を競い合ってみたり
いつも
同じ時間に会うあの人と
会釈をするようになったり
訪れる朝に
愛しさを感じる
もう苦しむのも苦しめるのも
終わりにしよう
ポカポカと春の訪れ
私の心に 青色の風が吹いた
いつだって これからだって
きらきらした朝を迎える
きらきら光ってる
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自分の子供を
殺してしまったような
悲しみ
可愛くて可愛くて
口もきけないあの子が
可愛くて
可愛いだけで
守れなかった
子を守れぬ母親など
消してしまった
最後の瞬間
現実がどこからで
空想はどこまでなのか
口もきけない
あの子が
父となる人と一緒に
その面影 愛しく
ただ ただ
涙 流れる
まだ見えぬ明日に
未来の我が子をよせて
日々 日々 いつか
現実になると
想いを馳せた
そして今日
殺してしまった
もう
私も死にたいんだ
追い詰められるのも
見てもらえないのも
悲しいだけで
疲れたんだ
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認めたくない思いがあった
信じたくない気持ちがあった
私の持つ二つの目に映った現実を
心がね 気持ちがね
離れたくなくて 否定してた
勘違いじゃないかって
否定してた…
時のなせる技
情のなせる業
追い詰められて
嫌がらせされて
それでも 求めていた 心
愛だったのか 意地だったのか
薄れていく気持ちが
どちらでもなく
人を信じたいと
強く願っている気持ちだったと教えてくれた
涼しげな風が流れる
南側の窓をあけ
北側の窓もあける
通り道ができた
風の行方は
私に辛い現実をみせたけど
一夜という時間が
客観性を産んだ
愛などなかった
最初から
この出逢いに愛などなかったのだ
与えたものは物理的に消費され
生まれた関係は
利用だったのだ
認めたくない思いが
邪魔をしたけれど
数々の言葉 仕草 を
冷静に回想してみれば
温もりだと感じたことがなかったと
気づいた…
今やっと呪縛から
解放される
今やっと現実に戻る
肩などなかった
最初からなかったのだ
もう 幻覚はみない
「おかえり…」
という言葉が
私を連れ戻してくれた
「ただいま」
春先 麗らかな午後
私は やっと 帰ってきた