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花の部屋


[12] 背中合わせ
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ティモーネのカウンターで赤ワインをかたむけて
日常のウツを
デカンタする

ボルドーの向こう側
解りあえない瞳が
右を向く

素直になれない
本心を語れない
嘘つくように甘えて
気付かないように微笑む
二つ折りした気持ちは
コダマのように
優しさを叫んで
ありがとうを囁く

飲み干したグラス
覗きこんだ君の瞳が
屈折した光に溶ける
ほら
僕ら
やっぱり
解り
あえない


解りあいたい

解りあえない

解りあえない

まま


2010/01/13 (Wed)

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