詩人:花 | [投票][得票][編集] |
夜明け前の
一瞬の薄紫
儚げな夢から覚める一歩手前
両手で抱えた想いを
手放す覚悟を
どうか どうか
授けたまえ
喉元に詰まった
最後の言葉を
丁寧にラッピングして
ありがとうを添えて
見つめ続けた愛の葉を
求め続けた愛の葉を
この手に乗せて
晩秋の失しものから始まり
真冬の淋しさを便りに
春先の別れを越えて
夏に巡り会った
付きまとう淋しさに
落葉を重ねて
厳冬の夕暮れは
視線を逸らす
淋しさを埋めるのは
貴方であっても
空白を埋めるのは
私ではなかった
手放す勇気を
授けたまえ
見守る優しさを
授けたまえ
うちなる愛に
さよならを込めて
言葉に勝る
愛を添えて