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流浪の部屋


[8] 空色
詩人:流浪 [投票][編集]

―私、青が好き―



いつかの君がキレイな瞳を輝かせて話していた。



―どぅして?―



ボクが聞くと、小さな顔にシワいっぱい寄せて



―空が好きだからっ―



満面の笑み。ボクは、その笑顔が大好きなんだ



いつまでも見ていたい




けれどその願いは届かず‥今はもぅ、あの空の中



ボクはその日から誰よりも空を見上げるようになった



いつしか君に問い掛けるようになった



君に話し掛けるようになり



あたかも君がそこにいるかのように



そして笑い掛け泣き崩れた



受けとめられずにいた現実を、ボクは少しづつ受け入れていった



もう大丈夫



もう一人じゃない



だって見上げればそこにはあの日の君のしわくちゃな笑顔




―私、空が大好きなんだ―

2005/05/15 (Sun)

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