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雨蛙の部屋


[38] 鈴虫の鳴く頃
詩人:雨蛙 [投票][編集]

喪ったあの日
僕の心弱くて
前に進む事など
出来なくて
何も掴めぬ僕の手は
力なく宙を彷徨う
希望は悉く崩れ去り
その欠片さえ
触れる事は無い


喪ったあの日
明日に向ける
眼差しは虚ろで
何も見てはいない
涙に滲む僕の前
微かに煌めく光は
醜く歪む
心に浮かぶのは
世界を呪う
言葉の渦


鈴虫の鳴く頃
喪ったあの日に
別れを告げて
今を精一杯
生きてみるよ………

2006/09/23 (Sat)

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