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ヒビトの部屋  〜 投稿順表示 〜


[1] 腐ったりんご
詩人:ヒビト [投票][編集]

熟しきったりんご
誰にも見つけてもらえるずに
その付け根を
腐らせる

近くにきた
農家の人
見向きもせず
通り過ぎる

どうして見つけてくれないんだ?
早く取ってくれないと
腐って地面に落ちちゃうよ?

近くにいた
農家の人
振り向きもせず
通り過ぎる

地面に落ちたりんご
ころころころころ転がった
いつのまにか止まった

近くにきこえる
エンジン音
アスファルトの上に
つぶれたりんご

2007/11/17 (Sat)

[2] やりたいこと
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手の中にある緑色のボール
力いっぱい 手を振り回す
遠くへと 飛んでいく

足元に さまざまな色のボール
捨てられていた
ためしに黄色のボールを持って
力いっぱい 手を振り回す
遠くへと 飛んでいく

いろいろなボール
いっぺんに手にとって
力いっぱい 手を振り回す
その全てが
遠くへと 飛んでいく

いっぱいいっぱいボールを投げた
全部が全部遠くへ飛んでいく

高揚した心は 飛んだボールを
追いかける 消えていく
満面の笑みは 影に隠れる

手の中にある 緑色のボールを投げる
小さな高揚が
走り出した

2007/12/03 (Mon)

[3] ナイフ フォーク スプーン
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切るためにあるもの
かつては生きていたものを
小さく切っていく

刺すためにあるもの
切ることを助けるために
切られたものを取り上げるために

すくうためにあるもの
切られたものを
刺されたものを
救い上げることも
できるだろうか

2007/12/04 (Tue)

[4] くだらない詩
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くだらない
詩を歌おう
昔の人はどうだっただろう
今の人はどうだろう

くだらない
詩はなくならない
僕は今 詩を歌う
詩を歌いたい

くだらなくない
ぼくは詩を歌うんだ

2008/05/06 (Tue)

[5] お絵描き
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映すのは想い
複雑な想い

描き続ける
吹き上げる想い

描くのは想い
わかりにくい想い
自分でも
人にも

描きあげても
伝わらない想い

2008/04/02 (Wed)

[6] 話す言葉
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君の話すその言葉は
僕には意味が分からない

ふいに
君が笑ったから
僕は笑った

それを見て

君が怒ったから
僕は笑った

2008/05/12 (Mon)

[7] 小石拾い
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地面に落ちたいくつかの小石
ひとつずつ拾い上げて
最後の一つを拾い上げる達成感

地面に落としたいくつかの小石
ひとつずつ拾い上げて
最後の一つを拾い上げる達成感

何度も何度も落とした小石
ひとつずつ拾い上げて
最後の一つを拾い上げる達成感

ずっと同じ達成感
いつまでも何回でも

2008/05/24 (Sat)

[9] 
詩人:ヒビト [投票][編集]

夏が立つから 立夏という
夏が立つとは夏が始まること
太陽が高く昇ること

秋が立つから 立秋という
秋が立つとは秋が始まること
夏が終わること
夏が倒れること

立夏になると 春が終わる
春が倒れる

2008/08/09 (Sat)

[10] 手を伸ばして届くところ
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白い時計 大きな時計
何時だろう? 僕がつぶやく
君と僕は同じ時計に視線を向ける

銀の時計 小さな時計
何時だろう? 僕がつぶやく
僕と君との視線は乱れる
僕は白い大きな時計
君は銀の腕時計

今何時? 僕がつぶやく
僕の視線は君の動作
君の視線は銀の腕時計

何時だろう? 僕がつぶやく
君と僕は同じ時計に視線を向ける

2008/12/17 (Wed)

[11] 人の努力
詩人:ヒビト [投票][編集]

なんで彼は自分より楽に生きているのだろう
なんで彼女より僕が苦しまないといけないのだろう
なんであいつはあんなに楽しそうなんだろう
なんで自分ばかりこんなに苦しんでるのだろう

自分が苦しい思いをすると
そんな風に考える

他人は楽に生きてるように見える
だって
今自分が苦しいのは分かるけど
今他人が苦しいのは分からないから

間違ってるんだ
彼が自分より楽してるなんて事はない
彼女が自分より苦しんでないわけじゃない
楽しそうなのだって強がってるだけのはずなんだ

信じるしかないんだ
他人は自分より苦しい思いをしていると
だから楽しそうにみえるんだと

信じるしかないんだ
自分は他人より楽をしている
他人にはそう見えていると

2009/02/28 (Sat)
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