詩人:まとりょ〜鹿 | [投票][編集] |
1年、365日。
あっという間に
年末だからね。
僕はと云うと
相変わらず
のんべんたらりと
している訳です。
君が居ない東京も
僕が帰った田舎も
結局は二人どこかで
揃ってなくちゃ
のんべんたらりと
しちゃう訳です。
君の田舎はどうだい?
僕の田舎はTVが娯楽
今頃君は
地元の友人たちと
楽しく呑んでんのか?
昔好きだった男とかに
“彼氏は居るの?”
とか聞かれてんの?
妬けちゃうけど
仕方ないよね。
年越しは地元が君を
呼んでいるんだからね
もちろんお互い
愛を楽しむ一年を
過ごせた訳だけど
これからもお互い
愛を楽しむ一年に
過ごして行こうと
鐘突き神社で別々に
小銭を落として
拝みましょうかね。
雪が降らないのと
悲しそうに笑った君に
見せたかったな。
僕の地元の雪景色。
多分君は
二階のベランダまで積もった
僕の家を見たら
お腹一杯って
楽しそうに笑うだろうね。
お土産は定番のアレでいい?
僕も君の定番土産を待ってます。
今年と別れを告げる針
携帯なんかは
いざというこんな時
使いモノにならないから、
タイミングを外して君に告げるよ。
“今年と云わず来年も再来年も宜しくお願いします”
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君ってば全く飽きないよ。
僕達が知り合って繋がるまでの期間は早二年。
本当に面白いね。君。
最新のハイクォリティーなTVゲームよか
楽しむ為のコンテンツが沢山詰まってさ。
君を知り合った時、
君の顔、
第一印象で顔が気に入ったよ。
外見?
いやいやそうじゃ無くってさ
そのカラカラ変わる
その表情に恋をしたんだ。
微笑み交わすだけなのに、
君は数万通りの微笑みをくれる。
最初は喜怒哀楽。
それだけでも
君の表情は無限大
君の顔を知れば知る程
病みつきになる事実。
繋がるまでの二年…
僕は自分でも恐ろしい位にハマる欲のドツボ。
喜怒哀楽。
君の表情は無限大。
でも、
もうどれも違う。
“笑えよ”
僕は仮面を貼り付けたような顔で
歪み泣く君の表情を見てた。
“泣けよ”
僕は見たことのないような笑みで
食い縛り睨み付ける君の表情を見てた。
やっぱり君ってば全く飽きないね…。
歪んだ君も無限大。
“堪らないね…”
思わず小さな笑みがこぼれた僕に君は
“何で?”
そう小さく小さく呟いて…
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ずっとそうやって頭下げる気かい?
聞いてんの?
何にやけてんだコラ。
こっち向けよ!
だから
ちゃんと話聞けって!
無視かよ。
あー、そうかよ。
だったらそのまんま聞いてろよ。
間違ってんのはお前!
俺は何も間違っちゃいねぇ!!
無理やり引っ張り上げた癖に
また突っ返すなよ。
確かにソレは俺んだけど、
受け取ったんなら突っ返すなよ!!
“不足です”ってなんだよ?ある筈だろ?
ポーカーフェイスな癖に、妙に刺さる事言うのな。お前。
画面に記された
“残高0円”
事務的な微笑みで
制服をパリッと着こなす。
俺の彼女はバーチャルなATM嬢。
残高0円なのを知りつつも
お前を叱りつけに今日も銀行へ。
カードを突っ返す時のお前の笑顔。
堪らなくいいね…
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寒々しく枯れた木々に
無理矢理施されたイルミネーション。
赤い布生地であしらった店々
興奮色満載にして尚も、こちらを煽るのか。
発泡酒を買いにきただけなのに
シャンパンの試飲を薦めるお姉さん。
かと思えば店の隅には正月飾り。
ねぇ?それって何の受け売り?
自分、ひねくれてるよ。考え方がね。
でもただ不思議に思っただけなんだ。
世界中のチビッコたちよ、
どうやら“良い子にしてないとサンタさんが来ないよ”ってな
君たちの母ちゃんの助言は本当みたいだ。
現にお兄さんの所には
もうサンタクロースは来ないようだ。
飲む打つ買うの
夜更かし三昧。
お兄さんは悪い子だ。
改める事すらしない悪循環な生活。
君たちはサンタクロースをいつまでも信じていてほしい。
結果はどうあれ、お兄さんのようにはならないからね。
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誰だ 誰だ 誰だ
つまんないとか言い出した奴
必ず居るんだ
此処にも居たんだ
空気の読めない女。
飲み会なのに何故原チャ?
会ったばかりで何故タメ口?
来たばかりで何故忙しいとボヤく?
とにかく空気をメッタメタに切り裂いてやがんだ。
年末時期は誰だって暇じゃないのさ。
そりゃ皆様承知の事実さ。
お前だけじゃねぇ!
俺もそうだろ!!
KYライダーは
今日も颯爽と現れ
見事に空気を悪くする
空気を嫁!!
お前は独身だが
空気嫁!!
ダッチワイフって意味じゃねぇぞ
空気嫁!!
言われないと分からないのか!?
それとも言わせたいだけの羞恥プレイか!?
とにかく
そんなお前は色んな意味で
注目度満天な女だ。
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嘘吐いてるの?
誤魔化してるの?
馬鹿みたい。
馬鹿みたい。
窓射す黄色
不意に吐く
悪態と共に
部屋中溶けだした。
切ないね。
切ないね。
ただ二人で
いつまでも
うつろぐ季節を
この部屋から
何度も見てた。
切り出せば
この黒髪を
バサリと切り落とす位
あっという間に
キミはこの肩から
するりと抜け落ちてゆけるのに。
悲しいね。
すごく悲しいのにね。
おかしいかな?
もう涙なんて
置き忘れたみたい。
外は嫌いだったよ
もう出たくないよ
何処へ行ってもね
寂しいだけだった
どこに
置いてきたのかな?
きっと
分からないままかもね
だから
嘘は要らないし
誤魔化しもいい
窓射す夕日を
こんなに切ないと
思う日は無かった…
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出席番号
一つ違いでも
君と僕とじゃ
品格ってモンが
かなり違う。
ただこうして
後ろの席で
朝シャンの香りを
楽しむだけ。
かなり変態っぽい
けど毎日毎秒訪れる
教室。君の気配。
かなり参ってます。
席替えは嫌だな。
いづれするんだろうけど。
君と出会うまで
こんな在り来たりな
名字、好きじゃなかった。
今では御先祖に
両手を合わせて
感謝してます。
窓際からフワリ
木漏れ日の光。
春ってこんなにも
麗らかなんだね。
ただこうして
後ろの席から
君の背中
遊ぶ暖かな日差しを
目を細めて見ているだけ。
勇気の無い僕はただひたすら
君が不意に振り向いて
僕の名字を呼んでくれるのを
祈って待っています。
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不意に泣きたくなった
いつか見た古い映画
安い発泡酒をお供に
14インチのミニシアター。
画面に映る
彼の手は
愛する人すら
傷付けてしまう。
でも
彼の手は
美しい物をより
美しく作り上げた。
切り裂く力。
芸術の引き算。
彼は誰より綺麗な心。
終わりを告げるストーリー。
とても繊細で美しい悲愛。
アルコール、緩んだ涙腺。
だけど
僕はラストまで泣くことは出来なかったんだ。
不器用なのは
もう疲れた。
泣かない事が
偉いねなんて
歳はとっくに過ぎた。
泣けない事が
こんなにも
心を窮屈にさせる事と
画面の彼を通して思い知る。
君はどうだい?
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“そうやってずっと
一人で泣いてれば?”
そう言って
母は出て行った
靴の履き方すら
忘れたように
裸足で背中を追った
5歳の夏。
“そうやってずっと
一人で泣いてろよ”
そう言って
友は去って行った。
ボロボロの靴を
ただ無心で
河原に蹴り上げた
11歳の夕暮れ。
“そうやって泣いて
煩わしいよお前”
そう言って
恋人は棄て去った。
靴ズレ合わぬブーツで
足を引きづりながら
静かに嗚咽した
22歳の冬。
止まり木ばかりを求めては
鳴かず飛ばずで
その肩に寄りかかってばかりで
肝心な足はもう
誰にも追い付けないと
知っていた。
この合わぬ靴を高いビルに放置して
幾らか頭で描いた事のある
神様と云う人に会ってみるのもいい…
“それは違う”と誰かが囁いた。
それならいっそ…
アナタの肩に止まってもいいですか?
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力強く目を閉じる君の
横顔には答えてやらない。
なにせ僕は君のパパでありながら
今日はイジワルなサンタクロース。
サンタに逢うのが願いなんて
僕の夢を壊さないでくれよな。
7階建ての鉄筋造りの家に
サンタさんは入りづらいだろうから
僕が赤い服を着て
君の寝息を確かめて
大袈裟な包み紙に守られた
素敵なサプライズを届けるよ。
まさか君とこうして
聖なる夜に
我慢比べをするなんて
君のママと出会った時には
想像もしなかったよ。
サンタは夜が明けると
魔法が溶けて
スーツ姿のいつものパパに戻るから
君はプレゼントを抱え
満面の笑みでパパに
“いってらっしゃい”
そんなお返しを下さいませ。
ありがとうよりも
嬉しい言葉だね。
まだサンタがくれた
一夜の魔法は
君の顔に溢れてる。