詩人:まとりょ〜鹿 | [投票][編集] |
ダメダメなんだ
いっつも上手く
出来ないんだよ。
顔も表情も不器用で
手先までも不器用じゃ
ダメダメなんだ。
きっと君も
嫌になるに違いない。
優しい見捨てぬ
みんなに
たくさんたくさん
アドバイスを貰って
次へ次へ
次へ活かそうと
思ってるんだ。
何とか
みんなの期待に答えて
何とか何とか
形にしてみるんだ。
でもやっぱり
ダメダメなんだ。
ダメばっかで
いつかは見捨てられて
しまいそうなんだ。
父さんは言った
ダメはダメなりに
沢山ダメな事でも
やってみろ。って
でも父さん
僕はダメダメなんだ。
ちっとも
自信が持てないや。
でもね
でも…
でもばっかりな僕だけれども
でも違うよと教えてくれる
沢山の大切な人たち。
僕は
確かに頼りないよ?
ダメダメばかりだよ?
でも
仲間を助けられる時がきたら
でも
なんて言わないよ!
ダメダメな僕だけど
ここん所はダメダメになりたくないんだよ
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魅惑的な赤
盗み取る赤
翻し踊る肌
指先に視線
遊ばされ虜
マイナスと
プラスの雷
地を揺るがすように
走る両極端
理屈じゃないんだ
嗚呼…
理想が構築された
今目の前で
遊ばされ虜
片目を覆い
眩しさに耐え
丸い背に乗る
見えぬ霹靂
触れられたのなら…
其処に居られたのなら
赤い冷静
叙情の稲妻
躰を切り刻まれても
怨みやしないさ
傷付ける事を
恐がらず
さぁ
僕に触れてくれ。
君になら
壊されたって
構わない。
それすら愛しい
魅惑的な赤い稲妻。
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あの日の私には
愛すらも気付かぬまま
見ただけの繁華街で
誰よりも幸せなフリ
愛を上手に演じてた。
愛してるとか
必要だとか
見返りばかりを
ねだっては
なれ合うだけの
会話と仕草
思い出すら
明確に示す事すら
出来ずに
時を刻んだ
カレンダーにすら
薄っぺらな単語が
列ぶだけ。
この今の私には
愛すらも語れぬ程
先なんて分からない
不安だけ残るまま
アナタの背中を思ってた。
真冬の寒空の下で
消えた背中を思ってる。
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ほんっと、お前って女のクセに食い気ばっかで
男の話とか一向に出ないのなぁ〜!
お前の友達…何って云う奴だったっけ?
あぁ、そうそうリカちゃん?
あの娘、合コンとか行かない訳?
いや、別に狙ってるとかじゃねーよ。
ただ何となく、お前が合コンとかに誘われたりすんじゃねーかってさ。
友達として心配してんの。
お前が俺以外の男と会ってるとか全然聴かないしよ。
ちっとは浮いた話とかが聴いてみたいだけ…。うん。
…あ、そうそう、合コンで思い出した!
山姥っているじゃん。ほら童話の怖いババァ
…まぁ、ガングロい女のヤマンバだけどサ。
ヤマンバって、外見あんなんだけどイイ奴なのな。
よく気がつくし、実は優しかったりで…さ。
つまりはアレ…、アレだよ。
合コンで知り合ってさ、付き合う事にしたんだ…よね。
…
………
いや、女で一番仲が良い奴じゃん?……お前って。
だから一番先に教えたかったんだ……
ー…なんて嘘。ー
ーお前が違う男に
女になってんのを見たくないのに。ー
ーこの心の意味を君に
告げる事、関係壊したくなく逃げた俺。ー
ーキラリと一粒覗く
君の横顔に、本当俺たちの最後の関係を知ったんだ…ー
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遠く微かに聴こえる
波の呼吸
二度と交わる事のない
古き日の香り
手垢だらけの表紙
木の葉影る午後の灯。
優しい記憶に
春を思い浮かべては
突然の通り雨
血生臭い悲しみ。
仕方ないさと
自ら悟ったフリをして
僕は今日も
修羅の旅路。
送る宛てを亡くした
皺だらけの絵葉書
写真の中の僕は
こんなにも幼いのに
今はもう
笑顔すら不器用になる
どうして君よりも
先へ進まなければいけないんだろうか?
瞼の裏側
止まったまま笑う君
時折呼吸を忘れて
神様の存在を憎いと思った。
変わる事ない場所で
流動的に急いた僕。
お前は馬鹿なんだと
幼いままの写真の君は
もう僕を叱らない。
神様を睨んだ僕に
神様は機会を与えない
唯一僕が
持ち合わせたのは
無惨に過ぎ行く時
望まぬ体だけの成長
だけど止まぬ落葉に
せめてあと少し
もう少しだけでも
散らないでと
神頼みをする。
君に会えて良かったと
僕が口に出せるまで。
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死なんか大嫌い!
死なんてちっとも綺麗じゃない!
誰かが言った。
「死んだほうがマシ」だと。
私は残酷に言い放つ。
「お前なんか生き続けっちまえ!!」
“この瞬間にも生きていたい
誰かが息をひきとっているのに”
そんな言葉もアナタごときに使いはしない。
生きることを
諦めようとするヤツの為に
引き合いに出されることこそ
失礼な話はないからね。
お母さんは死んだよ
お婆ちゃんも死んで
ミー君も死んでしまったよ
何時まで経っても
その頃の私が
死なんか嫌だ!
夢だよこんなのって
泣きながら追いかけて
上手く息が吸えないんだ。
苦しいから泣くんだ。
絶対死なんて認めないって
死なんて知りたくない!
死にたくないし
認めたくない…。
あれから子供を二人産んだんだ。
女の子が二人だよ。
なんか嬉しいね。お母さん。お婆ちゃん。
きっとこの子たちも私のように
捨てネコを連れてくるんだ。
茶色の毛したオスネコだね。
君にソックリなんだ。ミー君。
今までは
死なれて この手を離れて
行かれるのが
とっても怖かったんだ。
今はそれ以上に
死んで この手を…
あの子たちを繋いだ
この手を離してしまうのが
涙が出る程、嫌なんだ。
だから死は嫌いなんだ。
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例え
お前に俺が
生きろと言おうが
首を横に振るんだろ?
例え
俺にお前が
必要だと訴えても
もう響かないんだろ?
例え
お前より先に
俺が息絶えても
羨ましいと思うだけなんだろ?
今朝、
俺の足元で
低空飛行で飛んだ
傷だらけのツバメ
自らの
口元で捕らえた
遺されるモノ達への
意志を繋ぐ為なら
心臓が止まろうとも
羽根を休める事なく
届けてやろうと
小さく飛んだツバメ
お前は
只の美談と
耳を貸さないだろう
俺は
そんなお前に
もう何も言えなくなるだろう
これは俺の我が儘だけれど
お前に意志を持って欲しい。
そして
あと少し
あともう少しだけでもって
地に足を着けて
踏ん張って欲しいんだよ。
死への美学なんて
分からないし
分かりたくもないんだよ。
それはやっぱり
怖いだけなんだ。
お前の半歩後ろで
祈るだけのエール。
もどかしくて痛くて
沢山の言葉を飲み込んだ。
ひたすら
お前を信じる。
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お前の靴音に気付き
ベッドのパイプにしがみつき
目がかち合うまで眠ったフリをした。
生まれつき寝起きはよろしくないのよね
なんて、
誰彼に問い掛けるモノでも無い事を心に仕舞い込む。
相変わらず鼻に優しくないお香
お前は家主の都合すら問わず
閉め切った空間に炊き上げる。
目ん玉がグリグリするよ。瞼は閉じたままだけど。
あっ、勿論シカトを決め込んでらっしゃるみたいだから
俺はパイプにしがみついたまま
らしくもない不規則な呼吸を。
一度聞いたんだよね。お前に。
俺のどこらへんに愛を感じる?ってさ。
お前は馬鹿なのか、妙に鋭いのか
ヘラリとキマった顔して笑って
“好き勝手に終わるから愛なのよ”ってね。
あー、うぜーなー。
こんなに脱力剥き出しの面しちまってなァ…。
モヤかがった俺のベッドにシャツにコンポに…
台無しだよ。まるで台無し。
ハイ、オハヨーなんて
無邪気に低血圧気取りで身体を起こしても
お前はアッチの世界。見事に俺をスルーだよ。
スルーってか、臭い臭いこのお香に夢中。
ははっ
まるで巧い事
三角関係みたいじゃん
じゃあ
愛されない俺は
お前に愛されてる
お香さんに嫉妬してみるわ
俺は女々しいからヤキモチ妬きなのよ。
ほんと不都合な世の中なのな。
卓上ポスターのFカップちゃんに聞いてみるよ
“俺のどこらへんに愛を感じる?”ってさ
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成る程
成る程
そうですか
それがそうなんですか
へたりと地に
膝を着き
広い背筋を
へたりと地に
ついでに額も
へたりと地に…
まぁなんて小さい
なんて小さいお姿
普段は私の身長など
雄に超えてらっしゃる
そんな貴殿は
こんなにも縮まっていらっしゃる
成る程 成る程
初めて知りました
これが土下座と云う
謝罪姿勢でございますか。
小さな人間…と云った感じを体全体で表現なさってるのでしょ?
ならば私も土下座をしましょう
貴殿の事を赦せない
私の方こそ
小さな人間なんですから。
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創造と破壊は紙一重だってね。誰かが。芸術は美なんだよ美。つまりはそういう事で、きっと綺麗だから脆くて。脆いからこそ綺麗なんだろうね。…ん〜、ちょっと愛を語らうには寂しい話に聞こえるなぁ、これはちょっとね。君に対する愛や美意識てのはもうちょい力強さがあるんだよ。スポーツみたいにね。ねぇ。野球だって会話だってキャッチボールが大切だって中学時代にお世話になった副担任の先生が言ってた。ほら?だってそんなやりとりが微笑ましく感じたり、君を知る大事なパズルのピースがそこに潜んでいるじゃない?だから僕は取りこぼしのないようにキチンと心のミットに収めるんだよ。さしずめ僕はキャッチャーだね。うん。…きっとだからキャッチャーの事を女房って呼ぶんだろうね。何となくそんな気がしたよ。素晴らしい事なんだね愛って…
僕は気が済むまで
独り言を喋り続けた
日が暮れても
君がそうやって
視線を僕にくれなくてもね。
一生懸命君への愛を言葉にして
絶やすことなく口にしてみた。
君は溜め息と同時に部屋を出る
僕たちの愛はそこで終わってた