詩人:まとりょ〜鹿 | [投票][編集] |
夢見る阿呆に
恋する阿呆。
弱いとこ見せたら阿呆なんだよねって
したい事やらない
それが一番の阿呆者。
直感的な阿呆に
当たってナンボ阿呆。
動かなきゃ何も始まらないのにねって
自分に何度も言い聞かす一番の阿呆者。
でも一番の果報者なんです。そんな阿呆は。
それに気付かぬ阿呆が
やはり一番の阿呆者。
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この世界に麻酔など要らない
既に全身で麻痺し始めてるから
ねぇドクター答えて
この目に映る澱んだ影
良性なのか悪性なのかを
僕みたいなバカに
つける薬などありゃしないが
時折こんなバカが
何かのカンフル剤となる事もあるかも
ねぇドクター教えて
この無知な僕にも
改革手術の助手位は務まりますか?
疑問を持つ事から
何かは始まったゆくのだけど
その答えを
明確に示す事の出来る大人がどれだけ
この世界に居るのか
僕もいずれは大人になって
この先の世界と嫌でも向き合って行かなきゃならない。
でもその前に
やっぱり教えてよドクター
この世界の余命はもってあと何年でしょうか?
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男物だね君の大きな長袖シャツ。
チラリと覗くは
透き通る程に白い肌。
腕 浮き出た
脈並ぶ縦のライン
造作に並ぶ
大小 横の赤いライン
君は君自身にしか知り得ない 姿無き毒を
躊躇う事なく 躊躇い傷。
見るからに痛々しい
君の姿を
隠すように浮き彫りにした男の気配。
いいよ。君がそうやってカラカラ笑う横顔。
不条理な恋心に身を剥ぐ気持ちで僕は、君の隣
別にもういいよ。上手く誤魔化して かわして
デトックス
僕は君自身の毒を知らないし。吐き出させる術も理由も無いし。
デトックス
あれかな?滲む赤い血液は君自身の毒なのかな
デトックス
そう。毒を排出する為の術。
僕自身のデトックス。
君を知りたい
抱きしめたい
思いきり愛したい
それは今理性によって鍵をかけました。
そうでなきゃ
こんな不条理な距離
傷
嘘。
全て嫌になる。
傷だらけの君の腕。君のデトックス法。
仕組みは理解出来ても
衝動は理解出来ない。
君と僕。互いの毒。
どちらもとても痛い。
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地面に染み付く
汚らわしい臭い
大通りを抜けて
薄暗い路地を曲がれば
ぱんぱん
私は手を叩く。
汚らわしい街に
姿を曝せば
白む事の無い
灰色ネオンの空の下
ぱんぱん
私は笑って
愛想よくして
街行く男に手を叩く。
今夜はシケてんのね。
なかなか買い手が見つからぬ。
汚らわしい奴めと
汚らわしい女を
金で拘束した男が
一糸纏わぬ男が
私に手を上げ笑ったわ
私も耐えて笑ったわ。
滑稽だもの。
この街も
男も
そして何より私も。
今日も私
いつものドヤ街の隅で私、
ぱんぱん ぱんぱん
手を叩く。
まだ
笑えるなら
明日も此処で
ぱんぱん ぱんぱん
手を叩く。
まだ生きる。
汚らわしい街。
汚らわしい体。
汚らわしい私の魂。街。
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渡れ 信号
青 青 滲んだ色した青。
結局は注意を要するモノで
チカチカ 点滅する
青 青 滲んだ色した青。
駆け足 見事にタイミングを逃した。
結局は注意を要するモノで
青 青 赤。
眩しい位の赤い警告。
アナタの家まで
あと もう少し。
警告する色は
赤 赤 赤。
アナタがよく着る服の色。
見間違いなど
有りはしない。
信号機 アナタの家の警告色。
赤 赤 まだ赤。
赤いシャツ
青いジーンズ。
信号は赤。
その先にあるアナタの家。
赤 青 赤 青。
互いに組み合わさる
体と体。
結局は注意を要するモノで。
見間違う事の無い
赤 君の赤いシャツと
青 知らない青いジーンズの人。
ほら 青になったのに
点滅して 渡れない。
結局は注意を要するモノで。
雨?
滲んだ視界に交わる警告色。
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“愛してる”
そんな言葉よりずっと重たかったのは
“ずっと一緒に居たかった”
“君の為に”
そんな言葉を君に言わなかったのは
“貴方の為に”
が、重たかったから。
結局は逃げ出していたんだ。
“裏切り者”と罵ってくれても構わない。
君を好きすぎて
その全てが重たかったんだ。
“将来”を描けなかった“大人になれない自分”。
そんな自分が今、無性に重たい。
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真っ青な空
無垢な白い雲。
絵に描いたような
ハッキリ浮かぶ
夏の風景
色眼鏡をかける。
それはあえて紫色した
色眼鏡をかける。
眩しすぎたから
ハッキリ見えた
真実の無い嘘。
君は 笑う。笑う。
真っ赤に染まる
夕焼け空が
眩しいのなら
色眼鏡をかける。
あえて黄金色の色眼鏡
滲みる程に
輝く。
目頭熱く
ほら涙が出た。
君は 笑う。笑う。
君が無理して
背伸びをしようと
大人びた服 大人びた仕草
僕はあえて暗めの
色眼鏡をする
季節外れの
寂しいトンボ。
ほら、秋はまだまだと
笑う。笑う。
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キッカケは何であったか?
生暖かく酸っぱい
おいらの呼吸器系
流行物にかかったか
はたまた
これぞ季節の気紛れか
ゼコゼコと急ぎ鳴る騒音。
耳障りな生暖かい体内の騒音。
驚く程に敏感な感度。
上昇する体温。
そして俄かに期待する行動。
否、
流行物とは名ばかりの奇病で
そんな事ぁ
己自身の体が知る
感覚と云う名の解答。
…ただ、空欄を埋めるには
此以上に伴う体中の負担。焦燥感。
リスキーな現状に
リターン不可な感情。
ただ、君の投げかける
如何?と問う視線に
また上昇。
ゼコゼコ鳴る気管支。
お粗末なノミの心臓
脈打つ音。
キッカケは何であったか?
君の視線。対角線上ぶつかる。嗚呼…。
打ち明けられぬ感情に
ひたすら呼吸の調子を整える自分。
えぇ。言えないんです。言えないんです。
恋と云う奇病に
おいらの体が蝕まれてゆく…
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水が沸騰して
このカップラーメンが出来るまで
どれだけの未来を予測出来るんだろ?
きっと明日も
こんな風にただ、
湯気立つカップラーメンの容器の匂いに
馬鹿みたいに過剰反応を示す
美食家な俺の腹。
そうだなぁ〜、
可能なれば此処に
ワイフと云う名の可愛い子が
笑顔で味噌汁なんか
作ったりする朝焼け風景。
柄にもなく
目覚まし時計ナシで
嗅覚なんかで目覚ましちゃって…な。
漏れなく漏れる。
それが俺みたいな
蛆沸く男の独り生活。
“夢は夢なんですよねぇ”
なんつって、タイマーが程よい硬さのカップラーメンの食べ時を知らせる。
今日は此処まで。
ではまた明日この時間に夢の続きをば…。
まだ見ぬ君と
想像にすら難い俺の
愛ある同棲生活を
蓋を開けりゃ
ほんわか温かい
カップラーメン。
湯気の向こうに
そんな将来を思考する
若者な俺。
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兎に角、飲んでりゃ癒えるだろ
偉く嘘っぱちな時間
陽気になり騒ごう
バカにはつける薬が無いんだぜ。
眼差しん中から
君を無理やり消した
まるで嘘っぱちな神経の痙攣。
真っ赤な顔して
目元だけ安らかに
ヘラヘラと笑う
鏡ん中の自分。
二人で聴いてた
愛の歌を
まるで未完成の状態で
陽気に口ずさむ。
仕様も無い酔っ払い
悲しいとか
淋しいとか
吐き出す年を過ぎ
未完の言葉で埋め尽くされた
喉の奥の異物感
ボトルが空になるまで
飲み込んだ。
そして
蒸せるように
笑うだけ。
そして
朝日と共に
瞼 閉じるだけ。