詩人:まとりょ〜鹿 | [投票][編集] |
毎週金曜日pm7:32必ずあなたからのお誘いコール。
『熱い夜を過ごさないか?』なんて言ったから
勝負服で出かけちゃったじゃない。
38℃の締め切った室内でチゲ鍋パーティー。
キムチと汗が入り交じった臭いの私
終電で隣のおじさんに睨まれたじゃない。
『風邪ひいた。寂しいから看病して。』
慌てて行ったら鼻にティッシュ詰めてテレビ見てバカ笑い。
そんな元気あるなら、直すために使いなさい。
『最近夜になると寝られないから一緒に居て』って
家に着いたらあんたは寝てて、鍵閉まったままじゃない。
ほんとに滅茶苦茶な貴方だけど
今振り返っても貴方と結婚してよかった。
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片手にすっぽり収まっていた、泣いてばかりの幼い君は
いつしか僕の腕をすり抜けて
どんどん大きくなって離れていったね。
たくさんの人たちに出会い
たくさんの事を与えてもらい
その中から特別な男の人を見つけたんだね。
君と出会って間もない時期は
そんな今日が来る事を考えたくもなかったのに
君ももう立派に大人。
君が選んだ人だから、僕は心から今日という日を祝福したい。
泣くのはダサいと思っていたけど
恋の終わりのように昔ばかりを振り返る、祝福の日の思い出涙。
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家を出た。もっと早くから気付いていればよかったのかも
生きてゆくためなら身を切り売りしたって別にどうも感じない。
私、欠落してる?
でも人間はお金があれば生きてゆけるの。
小さい頃からそうだった。
うちに帰っても、明かりも灯らない、
ただいまを言った事もなければ
おかえりを言われた事もなかった。
テーブルにはいつも冷たい小銭が散らばって。
私はお金にここまで育ててもらったの。
何でみんなそんな目で私を見てるの?
私はそんなに欠落しているの?
私は今の生活は別に不幸だとも思わないし特別幸せな訳ではないけど
正解だと感じてるよ。
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空き缶のように放り投げ出されて
あなたは振り向きもせず走り去っていった。
私の真っ白でサラサラの毛も灰色になってガサついて
ご自慢の長いしっぽも何処かに置き忘れてしまったの。
まだ微かに残る
この赤い首輪に染み着いた元いた場所の匂い
寒くなるとあの腕の温もりをあやふやに思い出しては
届くはずのないあなたを必死に呼ぶの。
ビャ〜ッ ビャ〜ッ
昔はもっと高い音であなたの足元で鳴いていたような気がする。
ビャ〜ッゴ ビャ〜ッ
もう誰も私を呼んではくれないから
あなたが付けてくれた私の名前、もう思い出せなくなったの。
私を棄てたあなた。
私がこんなふうに私を忘れてしまうなら
いっそあなたと居たあの綺麗な時間に
綺麗に思い出が残ったまま、あなたに殺されてしまいたかった・・・。
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腕時計の秒針の振動が僕の腕を掴んで離さず
駅の階段から流行色の黒が沢山流れこんでは
君の居場所をかきけしてゆく。
せわしない群の声。
次々と入っては流れ込む電車の軋む音。
時をひたすら刻み込む僕の腕の鼓動。
でも今は蓋をしたように薄れて感じる。
明日を考える事をやめてしまった今の僕。
明日が押し寄せては胸を詰まらせる君。
お互い寂しさの理由は違えど想う心は同じ、
『また明日』が『今度会えたら』に変わるサヨナラの発車ベル。
君の後ろ髪を目に焼き付けたなら
今は静かに日常の群に紛れていようか。
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希望の果てに僕らは辿り着き
そこには何が見えるのかい?
崖かい?それとも赤レンガの壁かい?
つまらないものを追ったと
君はその地に膝を着き
あの頃と同じ疲れた顔で僕を覗き込む。
物事を熟知したいとか
テレパシーのような以心伝心とか
穏やかに日々を巡りたいとか
そんな事ばかり考えてただ歩いた日々。
そこに残るのは疲労感と無気力な心。
でも確かに感じるのは音のない悲愴感。
それもあと何日か経てゆけばシコリになり
ゆくゆくの二人の性感帯。
興味あるのは
前の方。
二人感じるのは
後ろの方。
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頭は悪いが、非常識って程ではない。
愛想が悪いが、無愛想って程でもなく、
要領が悪いが、やり遂げない訳じゃない。
仕事は安くて忙しいが、そこまで不満もなくやってきたの。
人脈には恵まれてる方だし、ちゃんと家族の愛情をもらって育ったの。
でも、毎日満たされないの。
何かが欠落してるような感じ…。
何故だか最近あんたが夢に出てきては
私に汚い言葉と唾を吐きかけてくる。
きっとそれは
今の普通が、私にとっては足りない不自然な世界だから。
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私の愛する旦那様が風邪をひいたの。
しかも腹出して寝てたから冷えたみたいなの。
旦那様の腹の中性脂肪は無駄に付いてたみたいなのね。。。
珍しく、豚で大飯喰らいの旦那様が食欲湧かないって…。
「お粥作る?」って聞いたら「雑炊がいい」なんて云いやがった愛するダーリン。
あっさり目に作って愛情注いで汗かいて手間暇かけて作ったの。
でも、鶏ガラスープがいいんだって。
悲しかったから旦那様の雑炊の中に猫缶(鶏ささみ味)ぶちまけてやったの。
旦那様の身体が心配だから、早く風邪直してさっさと会社で稼いできやがれ豚野郎なの。
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痛かったり
軽くなったり
重くなったり
弾んだり
熱くなったり
きつくなったり
楽になったり
早くなったり
ゆっくりになったり
苦しくなったり
安らいだり…
僕が君と居ると
ここの部分は何度も何度も変化する。
きっと何度も変化するから君を大切に思うのかもしれない。
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始まって築いて、
着々と暖め合って、
途中挫かれて、
延々無理に繋いで、
終わりに気付いた。
優しいだけの気持ちなんて別に欲しくない。
僕は無駄に数年の時を刻んできたって事か??
さぁ、久しぶりにマトモに話したいから
テーブルに着こうじゃないか。
自身への葛藤や嫌悪感なんてマイナスなだけだし、なるべく考えないでいこうって。
君は最初に会った時とは別人のような顔つきになって
時に気を使う僕に冷たい視線をくれる。
…もうディナーのスープは冷めきってしまった。
もうどんなに頑張ったって駄目な事。