詩人:まとりょ〜鹿 | [投票][編集] |
昼間に台風が直撃した夏の海。
二度目の海。
人気ない砂浜の夜。
俺は空腹だって言ったのに
お前らが買い出してきたロケット花火が
静寂の闇を切り裂いてゆく。
もう会う事もなかった筈の波が
俺に囁いてきたんだ。
『コンバンワ。
久しぶりにお会いしましたね。
今年はあの彼女と一緒じゃないんですか?』
闇と小さな波が
何だかそう尋ねたようで、
苦笑いで花火を見つめる。
前と同じ位置に置かれた流木
彼女と肩を並べ記念撮影した流木。
今は野郎4人で肩並べて酒盛り。
今じゃ全く違う環境が
酒の喉越しをむずがゆくさせる。
まるで竜宮城に行ってきたような眩しさが
今も尚、背中に刺さる。
特別な場所、
それは
コイツらと過ごし
ふと
むずがゆくさせる。