滲むオレンジを背中に受けてあの坂道君が笑いかける。また学制服とはミスマッチな面白いニット帽を被って毎日この坂道をオンボロ自転車で二人乗り君と一緒に帰るから、もう半年で4回も後輪のパンクを直して『不思議だね。ほら後輪の軋んだ音が笑ってるみたいだね』君が笑うつられて笑った。オレンジが黒に吸い込まれてゆく…君の家まであと少し…。また明日ね。俯いた君の顔がニット帽に隠れたみたいに小さくなる。また明日…不思議な時間(魔法)が終わる呪文…。
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