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まとりょ〜鹿の部屋


[245] 灯火
詩人:まとりょ〜鹿 [投票][編集]

毎年この時を刻めば
仄かな煙が見知った顔を揺らす。

また一年
もう一年経ったと
呟く音が静かに君を囲む。

こんなに経ったのに
私はまだ少し位しか
キミに世の理を教えてあげられないけど
毎年変わらず
ここに座ってます。

キミに一番教えてあげたかった
あの時は知りもしなかった事を
今日は手紙にしたから
この台の上に置いて帰るね。

拝啓キミへ

私は奇跡を産みました
まだ名も知らない
小さな奇跡を腕に抱きました。

奇跡は希望と云う名の
産声を盛大にあげて
くしゃくしゃの笑顔で
これからを沢山思って笑っています。

私はまだ分からない事だらけだけれど
この奇跡に負けない位、沢山の希望を胸に生きる事にしました。

キミは今頃驚いて
鼻を鳴らして笑うでしょう。

奇跡と出逢えた時
不意にキミの笑顔が浮かびました。
キミと出逢えた事
それすらも奇跡だったのではないかと。


奇跡は無駄に排出される訳では無く
希望を見出す為に産まれる価値のある魂だと知りました。


そこに居るキミは
もう既に知った事とは思います
今更だと笑うかも知れません

しかし私はキミに
キミは私に
形を表さずとも
繋がる魂を互いに知れたら…


来年の今日も
また懲りずに此処に腰掛けに来ます。

2008/05/12 (Mon)

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