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まとりょ〜鹿の部屋


[37] concrete single cat...
詩人:まとりょ〜鹿 [投票][編集]

空き缶のように放り投げ出されて
あなたは振り向きもせず走り去っていった。

私の真っ白でサラサラの毛も灰色になってガサついて
ご自慢の長いしっぽも何処かに置き忘れてしまったの。


まだ微かに残る
この赤い首輪に染み着いた元いた場所の匂い
寒くなるとあの腕の温もりをあやふやに思い出しては

届くはずのないあなたを必死に呼ぶの。


ビャ〜ッ ビャ〜ッ
昔はもっと高い音であなたの足元で鳴いていたような気がする。

ビャ〜ッゴ ビャ〜ッ
もう誰も私を呼んではくれないから
あなたが付けてくれた私の名前、もう思い出せなくなったの。


私を棄てたあなた。

私がこんなふうに私を忘れてしまうなら

いっそあなたと居たあの綺麗な時間に

綺麗に思い出が残ったまま、あなたに殺されてしまいたかった・・・。

2005/11/10 (Thu)

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