| 詩人:チェシャ猫 | [投票][編集] |
僕は今歌うよ
あの日君が口ずさんでいたあの歌を
あの日の君の声に重ねて
どこかできっと聞いている君に届くようにと
僕は今大声で歌う・・・
手を繋いだり抱きしめあったりキスしたり
君はいつもそんなのにあこがれてたね
恥ずかしいから嫌だってゆってんのに
決まって君は濡れた瞳で僕を見つめて
「お願い」だなんて耳元でささやくんだ
君の眼に僕は今映っていますか
どこかで今もまだ心配そうな顔で
僕のことみていますか
背も高くなったし喧嘩だって強くなったよ
キスだってうまくなった
涙で濡らしたこの両手で
君を支えるから
もう一度だけ僕の手を握って・・・
僕は今歌うよ
あの日君と約束したこの場所で
今はきっと君がいる星に手を伸ばして
ほうき星にのって君に届くようにと
僕は大声で歌う
小さな小さな恋の歌を・・・。。
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今僕は君に手紙を書いているよ。。
多分この先ずっと君には届かないけれど・・・。
毎日 日が暮れるまで遊んでた公園
揺れるブランコの音
あの日から少しだけ長くなった影法師
二人で埋めた秘密の宝物
まだジャングルジムの下にあるかな。。
駄菓子屋で買ったラムネのふた開けて
取り出したビー玉はほんのり甘く
二人の宝物にしようね。。
なんて言ってた君が真っ先に失くしたよね
暗くなるまで探したあの夜
いつの間にか二人
星の瞬き子守唄にして眠ったね
眠れない夜には二人 星の数かぞえて
少しだけ寂しくなったよね
君は今何処にいるの。。
気づいたらいつも隣で寝ていたはずの君は
僕にタオルケットかけて
そっとさよなら言ったんだ。。
大人になった僕には
もう思い出の中の君とは話せないけど
僕 少しだけかっこよくなったよ
もういじめられても泣かないよ
だから安心してね
あの星屑のどこかから君が僕を見ているから
寂しくても 僕は泣かないよ・・・。。
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水溜りに映った僕らは
なんだか少しだけ大人びて見えて
手を伸ばしたって届かない星たちも
今、同じ水の中にいる。。
赤紫の千切れ雲に向かって
思い切り蹴飛ばした空き缶は
そのまま空に吸い込まれていきそうな気がした
高く弧を描いて飛ぶ缶に
少しだけ茜色がかかって・・・
届かないと知って
星に手を伸ばすこともやめた僕は
女神を抱きしめることもあきらめた
どんなに言葉を飾っても
君に届かない言の葉は今
星のない夜に迷いこんで。。
片腕を失くした女神は今
星に照らされて頬を染めて
もう指輪をつける必要もなくなったその腕は
月の光が運び去ったみたいだ。。
そうして僕はまた少しだけ
夜空の星に手をかざす・・・
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初めて君を誘ったこの部屋は
あの日と何も変わらないまま
ただ月の光が滑り込んでいて
知らず知らずのうちに口ずさんでいる歌は
星の瞬きのリズムにのって・・・
あの夜なにもできなかったのは
ただ君のすべてが愛おしすぎて
君の薫りに包まれたあの部屋で君を抱きしめたら
何かが終わってしまうんじゃないかって
切ないくらいに怖かったんだ。。
あれから少しだけぎこちなくなった関係も
笑って許してくれた君の横顔も
そのすべてやっと 両手で受け止められたから・・・
今夜君に愛を誓う
星のささやきのそそのかされて
君をそっと抱きしめる
形のない何かは
月にてらされて影ができ
僕らをやさしく見つめるだろう
例え何か失くすとしても
代わりに何か見つけるとしても
その全て零れてしまわないように
この手で握りしめるから
だから・・・love me tonight
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秋の夕べ
窓から見上げる空は
どこか切ないくらいに澄み渡り
びっくりするくらい素直に
君の言葉 受け止められたんだ。。
電話も久しぶりだね
付き合ってすぐの頃のよう
毎日こんな風に窓から星眺めて
君からの電話待ち続けてた
今も僕はあの日の歌を口ずさんでるよ
電話の向こうで君が
何気なく口ずさんでたあの歌を
電話しすぎて
二人して怒られたあの夜も
あげてすぐに失くしたあの指輪も
気づけば君の声ばっかが
僕の思い出を包んでいて。。
この電話を切ったら多分
もう二度と聞くことはないその声を
零れないように両手でぎゅっと抱きしめた
だから星屑の夜に揺られて僕は祈る
君にきっと
この歌が届くようにと
そして君の声が
いつまでも僕の中に響くようにと
星に願いを・・・・
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誰かが描いた宝の地図なんて
両手でそっと破り捨てて
僕らはただ
形にできない何かに手を伸ばす。。
幼い頃の僕らには
目に映るすべてが愛おしくて
泥だらけになってもまだ
君の背中を追っていた
先行く君の横顔は
オレンジ色に染まって 少し大人びて
置いていかれないようにぎゅっと・・・
君の服の裾 握り締めた
広告の裏にクレヨンで
「好きだよ」だなんて描いた紙ヒコーキは
星空の中へと消えていったみたいだ
君に届けと願いを乗せて
僕には時計の針は止められなかったみたいで
いつの間にか君の手を離してた
この手にはただ宝の地図の欠片だけが残り
この心だけ まだ君の背中を追っていた
あの日の紙ヒコーキは君に届いたのかな・・・
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古いアルバムそっとめくり
黄昏の色の中
少しだけ頬を濡らす
めくるたびに漂う懐かしい匂いと君の微笑みは
少しだけセピアに色褪せて
それでもまだ
未来描いて手をつないでる
あの日あの道も
確かこんな風に茜色に染まっていて
愛おしすぎる時間も
いつしか当たり前のように思ってたんだね
アルバムの中の僕たちは
少し照れくさい顔して僕を見つめてる
あの頃の君に
僕は今どんな風に映っているのかな。。
数え切れないくらいの季節を背負って
僕たちは繋いだ手をそっと離した
振り向くことのない君の背中も
なぜだかとってもキレイに見えたんだ・・・
少しだけ目をつぶって
あの日の君とおしゃべりしたなら
窓からそっと夕日を背景にして写真を撮ろう
何年か後の僕が
思わず微笑むような
オレンジ色の笑顔をして・・・
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小さい頃 いつも布団の中で夢見てたこと
自分は本当は特別な存在で
いつか勇者として
世界を守るために魔王と戦うのだと
妖精の誘いに導かれ
不思議な国へと旅立つのだと。。
あれから10年
僕の周りはいたって平和で
当たり前の毎日が当たり前のように続いている
魔王と戦うどころか友達と喧嘩することすらなく
僕の一日は流れていく
そんな白黒だった僕の世界は
君に出会って少しづつ色づき始めてたんだ
薄っぺらだった毎日は
もうぱんぱんに膨れ上がっているんだ
今思えば 君と出会ったあの道は
茜がかるあの時間にだけ開く
不思議な国への入り口で
君は僕を誘いに来た妖精だったのかな??
言葉だけじゃ足りないけど
君と出会って確かななにかが生まれたよ
錆び付いていた歯車が動き始めたよ
君は君の国へと帰って
日に日に大人になっていく僕に
もう妖精は見えないけれど
君のことを忘れないよ
君と過ごした短いあの夏を
僕は忘れない・・・
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君と僕とあいつと
いつだっていつも一緒で
これからもずっとそうだって思ってた
いつしか僕ら大人になり
三人のうちの一人は女の子だってことにも
気づき始めてた
日が暮れるまで走り回ったあの道には
まだ僕らの落書きが残ってて・・・
ずっとこのままで・・・
なんて思ってたのは僕だけなのかな
君への思い
あいつも無理して忘れようとしてたのかな
もしも今どっかの誰かの気まぐれで
僕らあの日に戻れたとしても
何も知らずに大人になって
また僕は君の手を離してしまうのだろう
悲しくないよ
なんて言葉は嘘になるけど
ホントは少しだけうれしいんだ
君とあいつが幸せなら
それでもいいか
なんて柄にもなく考えた
夏が来たらまた
三人川の字になって目を閉じて
君と僕とあいつと月の椅子に腰掛けて
八月の花火見下ろそう。。
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例えばあの日に戻れるとして
また君と手をつなげたとしても
何も知らないあの日の僕は
またその手を離してしまうのだろう
夕暮れが滲んでいく帰り道
頬を流れ落ちそうな涙をこらえて
笑顔で君に背を向けた
あの道をふと思い出してる
まだうっすらと紫残る空に
あわてたように輝く立待月は
今でも僕をせかすように・・・
霞み行く空 千切れ行く雲
そして暮れ行く並木道
重ねた思い出の分だけ
涙はこぼれるけれど
見上げた空にはほら
二人の影が並んで揺れている。。