詩人:チェシャ猫 | [投票][編集] |
肩並べて歩いた夕暮れの河川敷
初めて手を重ねたあの日
キミとの距離が消えたと感じた帰り道
あの日の手のぬくもり
少し困ったような君の笑顔
そして懐かしい薫りを求めて
今夜もまたボクは眠りにつく
朝目が覚めたときには
ただどうしようもない寂しさが残るだけだと
知っているのに
一分一秒すべての瞬間が愛おしかったころ
いつかすべてがなくなるんじゃないかと
笑いながら泣いていたあの時
小さな裏切りさえも許せなかった幼い夏
二人での最初で最後の帰り道
空の色まで覚えてる
もう二度と
この手にすくい上げることはできないけれど
あの日感じた言葉にできないあったかさだけは
ずっと色あせないようにカギをかけておきたいから
これからどれだけの時がながれても
きっと夢の中のキミは あの日のままで
ボクに微笑んでくれるから
だから今夜もまたボクは眠りにつくよ
あの日のキミに会うために・・・
ずっと変わらないものを見つけるために・・・
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今日もまたゆっくりと一日が終わり
ボクはたった一人の家路をたどる
吹き抜ける冷たい風と
田園から薫る稲の香が
そっと秋の訪れを告げてゆく
新緑の風を感じながら
キミと通ったこの道は
もうすっかり秋の色がにじみこみ
空っぽになってしまったボクを
ただ立待月が照らしている
あの夜浜辺で語り合ったことは
笑えるくらいにしょうもないことで
少ししめっぽい潮風と
砂のぬくもりを感じながら
二人でいることがただうれしかった
だけど月日は流れ時はたち
浜辺に書いたLOVEの字は
波が静かに運び去ったみたいで
変わってしまったキミと浜辺は
ただ立待月に照らされて
二人夜空を見上げて
寄り添いあった
ふっと優しく見つめて
口づけあった
あの夜感じた不思議なぬくもりと
言葉にできない優しい気持ちだけは
きっと両手に抱いていようと
きっと、変わらないものなんてない
そんなの分かっているけれど
それでもボクらは願っていたい
ずっと変わらないようにと
美しく輝くあの月に
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キミの髪からふっとリンスの薫り
たったそれだけでボクの胸は高鳴るのに
キミは例えボクが抱きしめたとしても
少し困ったような顔で微笑むだけなのだろう
眠れない夜にキミの声が聞きたくて
何度も電話を手にしてはみるけれど
結局最後の番号を押せないまま
こみ上げる切なさにまたほほを濡らす
放課後の教室でキミと二人
不器用な言葉を繕って伝えた気持ち
キミは少し照れながらそっとうなづいて
耳元で「私もだよ」って そうささやいてくれたよね
帰り道のバスの中から
窓越しに見た夕暮れの空の色は
まるで絵の具をこぼしたようにキレイで
忘れないようにそっとパレットにうつした
長く伸びた二人の影法師
流れる川の音を聞きながら
ただみかん色のそらを見ていた
茜色に染まったキミの横顔に
思わず胸がキュンとなる
キミがあの人を忘れられなくたっていい
なくしたピースはボクが埋めてあげるから
いつか真っ白なジグソーパズルに
二人で今日の空を描こう
ずっと忘れないように・・・