ホーム > 詩人の部屋 > チェシャ猫の部屋 > 灯

チェシャ猫の部屋


[134] 
詩人:チェシャ猫 [投票][編集]

いつから君は泣いていた
伸ばした手の先も見えないほどの寂しさの中で
まだあの日々を求めてる
過去を振り返るたびにまた
傍にいる誰かを傷つけても
確かにあったはずの温もりを
捨てきれずに抱いたまま・・・


どれだけ大切にしたなら想いは届くのか
決して触れることのできない貴方の奥には
まだ遠い日が残ってる
時を重ねても色あせぬその灯に
僕は付け入る術さえ手にできなかった

  
  こんなにも近くにいるのに
  知れば知るほどまた距離は広がって・・・


振り返った貴方の目が悲しみで滲むなら
震えるその手元を照らす
小さな灯になれればよかった・・・


心の中でいつまでも色褪せぬほど
その影は強くはないけれど
儚いほどに小さな灯の中に
貴方をそっと映すから


僕が傍にいないその未来にも
優しく灯は揺らめき続けるように・・・。。



2005/08/25 (Thu)

前頁] [チェシャ猫の部屋] [次頁

- 詩人の部屋 -