詩人:チェシャ猫 | [投票][編集] |
いつから求めてる
影すら残さず消える瞬間(トキ)を
足踏みしても存在すら確かめられずに
崩れ落ちゆくこの場所に立ちすくんでいる・・・
痛みも感じぬほどに鈍くなったこの腕の
傷口をそっとなぞっている
消え残る痕がまだ乾ききらぬうちに
も一つ痛みを重ねてみても
流れ出すものさえ枯れ絶えているさ・・・
いっそこのまま眠りに付いた喉もとに
優しく牙を突き立ててはくれないか??
君すら失ったこの世界で闇に怯えるなら
灰になって朽ちてゆくさ・・・
重ねた唇に痛みは在るか?
在るなら分けてはくれないか?
痛みすらも失ったこの身に
何を捧げればいいのか
涙も流れなくなったこの瞳の
輪郭をそっと辿ってみる
要らなくなった部分が砂になっていくと感じていても
助けを求める理由も見つからない
いっそこのまま眠りに付いた口元に
優しく口付けてはくれないか?
堕ちてゆく喧騒に紛れながら
灰になって朽ちてゆくさ
いっそこのまま眠りに付いたその胸に
優しく杭を打ち込んではくれないか?
十字架に抱かれて懺悔を終えたなら
瞳を開けて最初に映ったものを信じてみるさ
いっそそのまま
僕を殺してはくれないか・・・