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チェシャ猫の部屋


[163] 新しき宿に群がる夜の使者
詩人:チェシャ猫 [投票][得票][編集]

誰も自分の歩く意味さえ知らない
鮮やかな彩りに揺れる死んだ街
毎日何処かに捨てられていく心の中でもがきながら
貴方はまだ偽りの優しさ求めているの??


心と体が切り売りされている夜の隅
当ても無く彷徨う傷だらけの肩は
全てを搾り取られて堕ちてゆく
欲望ばかりが肥大する街で
まだ本当の優しさを探しているの??


見上げれば眩し過ぎるほどの作り物の星
独りの夜を恐れて紛い物の煌きにしがみつき
ねえ 貴方は何かを見つけられた??


昼と夜の区切りさえも曖昧に溶けていくこの街で
貴方だけは自分を忘れないでいて
弱さを見せたなら全てを奪い去られるから
貴方だけは強く咲いていて


作り物の華やかさに目を奪われて
夜に堕ちていった使者に
貴方は心惹かれないでいて


この芝居じみた街のどこかにも
少しだけ本物の優しさが残っているなら


それを探し当てるのは貴方でいて・・・・

2006/08/01 (Tue)

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