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チェシャ猫の部屋


[167] 不眠症の眠り姫
詩人:チェシャ猫 [投票][得票][編集]

もう数えることすら諦めた夜がまた明ける
繰り返し羊を数えて見ても
訪れるのは累々と重なる屍と無益な時間だけ
誰か安息を与えて頂戴
私は不眠症の眠り姫


ねえ私にこの名を与えて塔に閉じ込めたのは誰??
御伽話程に現実は美しくはない
王子様のキスよりも睡眠薬と安眠枕を頂戴
ホットミルクも忘れずに


美貌なんてとっくに枯れ果てたわ
ひび割れた鏡に映るのは
目の下に大きな隈のある自称元お姫様

ねえ物語の中の私はそんなに美しいの??
そりゃ毎日好きなだけ寝て暮らせるのなら
私だって見目麗しいお姫様
ねえ私のお話は世界中で売れているんでしょう??
そのお金で私の病気を治して



代わり映えの無い毎日をどれだけ繰り返せば
私は覚める事の無い眠りに就けるの??
物語の中のようにとこしえの眠りを得たらならば
王子様どうか私を起こさないで頂戴
もし起こしたら
高級なヒールで蹴飛ばしてしまうから


そんなことよりも王子様私を見つけたならば
キスはいらないナイフを突き立てて


誰か私に睡眠薬と安眠枕を頂戴
私は不眠症の眠り姫。。

2006/08/05 (Sat)

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