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チェシャ猫の部屋


[192] 宗教家の貴方も左利きの貴方も
詩人:チェシャ猫 [投票][得票][編集]

僕たちは踊るのさ
両腕掲げて腰振って
呆れるくらいに陽気なステップを刻むのさ

自殺願望を抱える貴方も
先が見えないと俯く貴方も

辛い時に辛い顔して自分を哀れむくらいなら
どこぞの神様に説教される程に
陽気なステップを刻むのさ



「私は人とは違うのよ」
「私の苦しみは誰にも理解出来ない」
世界の片隅で名も無い弱虫が吐き捨てた

使い回しの言い訳を
恥ずかしげも無く使い回して
孤独に振り回される三文役者



僕たちは唄うのさ
両腕掲げて腰振って
呆れるくらいに陽気な音階を奏でるのさ

宗教家の貴方も
同性愛者の貴方も

重い荷物を重い気持で背負って座り込むくらいなら
どこぞの神様に愛想尽かされる程に
陽気な音階を奏でるのさ



「私は不幸な運命を背負っているのよ」
「私なんか生まれて来なければ良かったの」
世界の片隅で名も無い泣き虫が吐き捨てた

たらい回しの運命に
抗うこと無くたらい回されて
神様に振り回される三文役者



僕たちは笑うのさ
大声出して腹抱え
呆れるくらいに陽気な笑い声を振り撒くのさ

左利きの貴方も
片目が一重の貴方も

嫌いなものを嫌いだと目を背けて逃げ出すくらいなら
どこぞの神様が羨む程に
陽気な笑い声を振り撒くのさ




行く先に怯える貴方も
昨日死ぬことにした貴方も

踊るのさ
両腕掲げて腰振って
呆れるくらいに陽気なステップを刻むのさ

辛い時に辛い顔して自分を哀れむくらいなら
どこぞの神様に説教される程に
陽気なステップを刻むのさ


味気無い人生の上で死ぬまで踊って
この手で彩を添えるのさ

2010/08/21 (Sat)

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