忘れられない人と忘れたい自分その2つを天秤にかけてみても比べられないから僕は旅に出た薄刃の三日月が微笑う長い夜黒猫の尻尾を目印に戸惑う指を5本ずつ絡めて作った結び目が解けぬようにと紡いだ言葉忘れないでと言った君忘れないよと言った僕途切れて消えた足跡を時計の針が見届けた忘れないでと願う僕忘れたいのと笑う君微笑った二人の面影が剥がれて散って星になり白い鯨の夢を見る
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