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チェシャ猫の部屋


[194] モビー・ディック
詩人:チェシャ猫 [投票][得票][編集]

忘れられない人と忘れたい自分

その2つを天秤にかけてみても
比べられないから僕は旅に出た

薄刃の三日月が微笑う長い夜
黒猫の尻尾を目印に


戸惑う指を5本ずつ
絡めて作った結び目が
解けぬようにと紡いだ言葉


忘れないでと言った君
忘れないよと言った僕


途切れて消えた足跡を
時計の針が見届けた


忘れないでと願う僕
忘れたいのと笑う君


微笑った二人の面影が
剥がれて散って星になり
白い鯨の夢を見る


2010/08/17 (Tue)

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