詩人:チェシャ猫 | [投票][編集] |
小さい頃 いつも布団の中で夢見てたこと
自分は本当は特別な存在で
いつか勇者として
世界を守るために魔王と戦うのだと
妖精の誘いに導かれ
不思議な国へと旅立つのだと。。
あれから10年
僕の周りはいたって平和で
当たり前の毎日が当たり前のように続いている
魔王と戦うどころか友達と喧嘩することすらなく
僕の一日は流れていく
そんな白黒だった僕の世界は
君に出会って少しづつ色づき始めてたんだ
薄っぺらだった毎日は
もうぱんぱんに膨れ上がっているんだ
今思えば 君と出会ったあの道は
茜がかるあの時間にだけ開く
不思議な国への入り口で
君は僕を誘いに来た妖精だったのかな??
言葉だけじゃ足りないけど
君と出会って確かななにかが生まれたよ
錆び付いていた歯車が動き始めたよ
君は君の国へと帰って
日に日に大人になっていく僕に
もう妖精は見えないけれど
君のことを忘れないよ
君と過ごした短いあの夏を
僕は忘れない・・・