詩人:剛田奇作 | [投票][編集] |
私という人間が
泣こうが
笑おうが
叫ぼうが
自殺しようが
世界の頂点を極めようが
この世の地獄を見ようが
宇宙の時間と広さとそこで起こってる数億年規模のドラマからみれば
草原で一本の草が、風に吹かれ
僅かに揺らぐ
ていどの事件だ
まして私の一生は
一枚の枯れ葉が、地面に落ちる、くらいのもんだろう
いや、毛穴から抜け落ちた一本の毛
こんなもんだ
どんなにかっこつけたって人間以上の時間はないし
肉体以上の価値もない
はじめから意味なんてない
夢や希望を叶えたいんじゃない
そこに何か自分だけの意味を作りたいだけ
普遍や真理なんて言葉はまやかし
ただ、一人ひとりにとって
かけがえのない意味があるだけ
どこにもない自分だけの答えを求め
いつか消える運命があるからこそ
輝けるものたち
詩人:剛田奇作 | [投票][編集] |
君がいるから
これでいい
私がいるから
これでいい
叫んでみよう
一人で
みんなで
鏡をみて
自分をみて
過去をみて
今をみて
これでいいのだ
叫んでみよう
未来をみて
これでゆくのだ
叫んでみよう
身体いっぱい
バカボンのパパは天才なのだ
天才が言うからすなわち絶対なのだ
これでいいのだ
これで、いいのだ
詩人:剛田奇作 | [投票][編集] |
誰もいない家で
浴槽に浸かっているとき
誰かが帰る物音をきくと
安心する
それが
恋人でも
親でも
兄弟でも
別れた旦那でも
その安心感に
多分
変わりはないのだろう
詩人:剛田奇作 | [投票][編集] |
私は生れつき理想の人間です
私は何があっても、怒らないし、泣かないし、悩みません
誰にも迷惑かけません
喧嘩もしません
後悔もしません
笑顔を絶やしません
不満もありません
全てに満足です
みんなを幸せにします
あなたとっても素敵ねってよく言われます
趣味は節約と募金と人助け
50年くらい、ずっとです
毎日誰かに褒められてきました
人々の尊敬の的です
ただ とても退屈です
たまに死ぬほど
退屈です
そして本当に
余命一ヶ月の病気になりました
みんなが可哀相がってくれます
私はどうしたら退屈じゃなくなるのか
結局わかりませんでした
私は死にました
皆は一週間以上泣いていましたが
一ヶ月後は私なしで平穏に暮らしていました
みんな退屈ではなさそうです
詩人:剛田奇作 | [投票][編集] |
クジラと話したい
たくさんの誰も知らない事を集める学者になりたい
時間を料理してみたい
空を一思いに丸めて宇宙に投げたい
世界一難しい数学の問題を絵画にしたい
小さな空中庭園でイルカと象と神様を飼いたい
シンデレラに換気扇を掃除してほしい
戦争の武器は孫の手に統一したい
肥溜のなかで愛を叫んで
結ばれたい
火星で恋人と七並べをしたい
チョコレートで自分のレコードを作りたい
夢の中で猫をだいて
無意識に命になりたい
詩人:剛田奇作 | [投票][編集] |
恋がしたい
原人並の
もう口が苦くなっちゃうよーな
毛玉が飛んできてくしゃみしちゃうよーな
恋がしたい
生煮えの失敗の魚料理みたいな
虹の上をまたいでずっこけるよーな
あぁ 恋 、 恋
湿ったバスタオルが愛しいほど
欝陶しいくらい関係のないもの
在りそうで無かった
安くて甘い缶詰
自分の名前も忘れるほど
咳こむくらいに笑って
凹むくらいの勢いで
勝手なほど
自己満足でいい
すべて巻き込んだ上
示しがつかなくて
傷つくのにも気付かないほどの
どこにもない原色の中で
足すも引くも割るも掛けるもできない
操るでも従うでも流れるでもなく
ただ間抜けに踊るのにも一理あって
永遠ばかりがいい訳でもないよな
綿菓子の雲を奪うような
初めてのチョコケーキを崖から落とすような
怒りすぎて抱腹絶倒みたいな
そんな 意味のないほど
愛しい
恋がしたい
詩人:剛田奇作 | [投票][編集] |
「世の中、金がすべてなのさ」
なんて、いかにも現実主義を気取っていますが
実は
「金持ちになりたい」
というひとつの夢の中で躍らされているだけ
「いい学校に」
「成績が」
「あの人が」
あなたはひとつの夢に躍らされていない?
現実、現実、って
こだわってるふりして
すべては
ひとつの理想
ひとつの夢
ただの、ね
もっといっぱい夢を見ようよ
夢みること、恐れないで
数え切れない程、夢をみよう
リアリストなんていない よ
みんな自分の夢をみてるだけ
「空想」を馬鹿にする者
「現実」に泣く
世界で一番素敵なリアリストはあなた
「あなた色の、あなただけの夢を大切に」
詩人:剛田奇作 | [投票][編集] |
詩を書くのは
自己満足だ、私の
プロじゃないから、なんて言って、いい加減に詩を書き散らす
だけど
自己満足の産物で 誰かに何かを与えられたら結構嬉しい
という虫のよさを堂々と引っ提げつつ
駄作を積み上げ
なまじっか歌えるなんて妙ちきりんな自信まで持ち合わせ
粗大ごみよりは環境に害がないかもしれない詩を 辛うじて紡ぎだす
自分へ一言
『お疲れさん。』
詩人:剛田奇作 | [投票][編集] |
昨日、パンツを変えなかった
今日、何も起こらなかった
明日、パンツを変えなくても
多分なにも起こらない
次の日も
次の日も
パンツを変えない
やっぱり何も起こらない
一ヶ月したら
股間が少しかぶれたりするだろう
ほら やっぱり特に何も起こらない
そうして
思い知る
結局全ては
自己満足だと
詩人:剛田奇作 | [投票][編集] |
君のいない宇宙で
うたったり 笑ったり
食べたり 飲んだり
君のいない宇宙で
泣いたり 怒ったり
しゃべったり 叫んだり
君のいない宇宙で
君のいない宇宙でなんて
どんな感動も
美しいものも
ただのまるで
絵空事
時間が自分から離れて行って
自らの命さえ桜の花びらのように宙をさ迷う
君がいない宇宙を
私は宇宙と認めない
きっと
君が笑わない宇宙が
存在してはいけない
だから死に物狂いでも
生きるんだ
キミノイル
宇宙で