詩人:剛田奇作 | [投票][編集] |
強いから、守る
強くないけど、守る
弱いけれど、守る
守るから、守る
眠いけど、守る
とにかく、守る
守る
理由ないけど、守る
嫌いだけど、守る
いらないけれど、守る
得にならないけど、守る
暇だから、守る
暇じゃなくても、守る
何を守るのかわからないまま、守る
命だから
詩人:剛田奇作 | [投票][編集] |
好きになるのはいとも簡単
好きでいるのは難しい
大切なあの人は、
いつしか存在しない理想に侵食される
あの人をあなたの理想から守れるのは、あなただけ
守り切ったらはじめて
あの人に会えるだろう
詩人:剛田奇作 | [投票][編集] |
私は、有名映画監督になった
君は、映画を見ない人だった
私は一流パティシエになって、君に最高級のチョコレートケーキを作った
君は、お菓子を知らず、食べたら腹を下してしまった
私は大統領になり戦争をやめさせた
君は火薬工場にいたので辞めさせられ児童売春に売られてしまった
私は、全ての病気が治る奇跡の薬を作った
一人占めしようとして戦争を起こした連中に、君は殺されてしまった
私は、魂が苦しみから救われる教えを作った
魂はあの世が一番楽しいと言って生まれてこなくなって
この世から生物が消えた
世界一の宮殿でも
閉じこもっていたら牢獄と同じ
素晴らしく寝心地のよい高級ベッドでも
起き上がらなければ
墓場と同じ
君は今どこにいる?
詩人:剛田奇作 | [投票][編集] |
子供は、穴を見ると物を突っ込む
子供は、隙間があると隙間に入りそうな道具を捜して、こじ開ける
変わった出っ張りがあると押すか引くかしてみる
変化がないと、かじってみる
とりあえず分解して壊す
とりあえず水に入れてみる
ときに
子供にとっておわんは、味噌汁を飲む為の道具ではない
液体という掴みどころのない摩訶不思議な物質を立体的に保存できる魔法 の道具なのだ
よって、飲む事より、味噌汁に手を入れてワカメや豆腐が液体の中でゆらめく無重力感、液体っぽさを確かめる事が優先事項となる
茶色い不透明な液体の中に占める豆腐の割合からワカメの沈み方等、あらゆる情報を指先の感触のみで収集する
次に、新たなおかずや米などの具材を投入し、異なる感触を確認する行程に移行
最終的には、実験最大の山場である液体を平面に戻すという試みを行う
しかしこの実験にはかなりのリスクを伴う為、事前に大人の顔を伺い隙を見つける、時々唇をつけて飲むフリをする等の入念な下準備を怠るわけにはいかないのだ
実験終了後も「あぁ!」というやっちゃった感を演出する表情と声を忘れることはない
恐るべき建設的な一連の大作業なのだ
大人がブロックの三つの穴の中をチェックしないのは、そこにお札やダイヤモンドや世紀の大発見となる未知の生物が入っている可能性が限りなく低い事を経験上知っているからであり、せいぜいあるのはゴミとジグモと石ころ位だろうとほぼ断定している
経験則は必要だがあまり頼ると何もかもつまらなくなり、結果挑戦できなくなる
よって、この詩をここまで読み終えてしまった大人は非常に希少な存在であると言えよう
詩人:剛田奇作 | [投票][編集] |
あぁ、苛々する。
突然ですがこの言い方、止めましょう
その表現、まるで自分以外のところに原因があると言っている様な、そんなズルイ響きです
私、迷惑被っているのよ
とアピールする様な
イケない響きです
そこで
苛々してきたら、このように叫んで下さい
あぁ!
何もかも僕の思い通りに行かなくて、非常に、全く、全然おもしろくない!!
どうして、全て、100%私の都合通りに事が運ばないのよ!
僕の思い通りの、僕が最高にハッピーになるこんなに素晴らしいシナリオがまかり通らないのは何故なんだぁ!
私に、常にコンスタントに、私が満足できるだけの幸せが周りにないので、非常に頭にくるわ!
私の望み通りに現実が上手く手配されてないことに、怒り心頭なのよ!
詩人:剛田奇作 | [投票][編集] |
お前どこもかしこも、真空亀裂前線上イソップ物語的な展開なくせになぁ、二次関数を演劇化したみたいな軌道で話すなよ
ですよね、僕的には初めての乳化アイドリング画法なんでムカつきました?(笑)
まぁ、そこまでは行かないけどね…北半球での白米立脚技術者集団の中間発表ばりの迫力はあったかな
やっぱり!僕もたまたま前衛書道家御用達のナイロン球体袋を量産していて気が紛れることもありましたからね
あ、ところでお前今アレあるか?制服のホコリとかとるやつ… 名前何だっけ?
ああ、あの逆さまに使うと逆にホコリがいっぱい着いちゃうやつですね!
何でしたっけ…
詩人:剛田奇作 | [投票][編集] |
手紙はハガキに3行くらいが
ポストは見るのが億劫なくらい遠くがいい
野菜はちょっと固めに茹でて
塩は少なめがいい
夏は暑くて
冬は寒いのがいい
庭は雑草も 生えているのがいい
空は青すぎないのがいい
電池は無くなってから買いに行くのがいい
夢は毎日叶うものが
願いは時々叶うものが
きっと、いい
詩人:剛田奇作 | [投票][編集] |
悩む君は花のように
嘆く君は空のように
泣く君は星のように
叫ぶ君は鳥のように
それは、ただ
言葉にも
歌にもできない
心臓が身震いするほどに
美しく、強く
真っ暗な宇宙で
たゆとう原子のように
詩人:剛田奇作 | [投票][編集] |
凜としたアロエに朝露がきらめいている
あ ナメクジの這った後か…
恥ずかしげに俯く椿にミツバチが愉快に舞う
あ、あれ蝿か…
彼は、
私を迎えにきたの?
あ、農協の人か…
星が寂しそうに虚ろう水面に
あ、あれは
ま
いっか…
詩人:剛田奇作 | [投票][編集] |
ゲートボールをしているお年寄りを見て安らぎながら
ペットボトルのお茶を飲む
あっちのベンチでは主婦たちがたむろして ペチャリクチャリと話してる
(私も主婦だが)あんまり見ないようにする
変質者と勘違いされたらやだし
私は公園で見る空が好きで
よくブランコをこぐ
「あのね、こないだあっちまで靴とばしたよ」
男のコが寄ってくる
一緒になんとなく地面に絵を書いてると子供がさらに寄ってくる
「前回り、できるよ、みてみて」女の子に手を引かれる
しだいに子供に混じって普通に遊んでしまう
主婦に
「すみませんね、うちの子が」
なんて言われ 一瞬意味が解らないが、我にかえる
本気で遊んでただけなんで…とは言えず
「あ、はい。大丈夫です」なんて 意味不明な事をいったりして
せっかく楽しんでんのに邪魔すんなよ
とか素で思っちゃって
普通に子供と3時間くらい遊んでしまう
気付いたら夕飯の買い物いってなくて
弁当屋に寄って帰る
冒険の余韻に浸りながら
また、やってしまったわ