詩人:剛田奇作 | [投票][編集] |
シティーハンターの涼さんのお嫁さんになりたいと夢みた小学三年生
トランクスの青い瞳に恋した五年生
FFZのセフィロスにハマった中学生
二回書いたラブレター
一言も話せなかった
哀れなストーカー
高校卒業
大学で子持ちのセンセイに恋して研究室に入り浸り
ふと気付けば
隣に生暖かい肉の塊がふたつ
私の半生における恋の戦利品ともいうべきもの
片一方は 歯ぎしりにいびきかいて
片一方はちっちゃなおちんちんつまんで遊んでるけど
ピラミッドよりも謎が多く どんな賢者も解明できない神秘的なものらしい
地球より重い命と言われるものらしい
だんだんおっきくなって
いつかはしぼんで 無くなってしまうらしい
私もふくめ
生暖かい肉がみっつ
ちっちゃな部屋に転がってる
私の銀河には二つの惑星しかない
これが私の全部で
いま恋する宇宙
詩人:剛田奇作 | [投票][編集] |
例えば
こんなにホクッとして
カリッとして
ピリッと舌に心地よいものが
あるなんて
実に神秘的だと思わないか?
賢者は私に言う
私は答えた
だってそれが
ポテトだから
あれこれ言わずに早く食べようよ
詩人:剛田奇作 | [投票][編集] |
愛するとか
経験とか
伝えるとか
耐えるとか
なんか知らずにルールを作っちゃってない?
要はね、どうやったらあなたに無理がないのか
楽を追求していんだよ
逃げなんかじゃない
何も考えないで
光も闇も
そのまんまを
受け止めればいい
君はおひさまにさえ自分を認めさせようとするのかい
今の私たちのそれぞれのレベルで
ちょっと受け入れ
ちょっと泣いて
ちょっとハッピー
白黒つけなくて
形にこだわらないで
あなたの存在は地球上に前例のない
不思議な存在
解明する必要なんかない
ただ 愉しめばいいのさ
私が1番後悔したのはね
失敗じゃなく
決断でもなく
結果でもなく
愉しめなかったこと
じっくりガムを噛むように時を味わって
愉しめなかったこと
詩人:剛田奇作 | [投票][編集] |
まゆげの上の大きなニキビを潰した
私は君の暖かさに
あぐらをかいていた
ニキビからはウミと血が流れ
シコリは取れた
君を手放すのが
笑えちゃうほど辛いなんてね
痛いのは 空とベランダの匂いだけで十分
君が優しく
とても優しい低い声で
別れを告げた
私は謝りたかったけど
君が一度決めたら
てこでも動かないの知っているから
いつかの京都旅行もヘドがでるほどつまらなかった
しゃべらない君は私に攻撃されて
矢がささって
ハリネズミみたいだった
それでも君は全然 動かなかった
万策尽き果てた私は自分のほっぺを叩きながら泣いた
一体私たちのどこをつねればウミが出るんだろう
君に関する予備知識が要るみたいね
それは図書館にもネットにも見当たらないけど
君が去ってしまった今は
コーヒーを入れることしか出来ない
君の好きな甘いキリマンジャロ
夢の中で会ったらね
またミントの飴をちょうだいね
誕生日には
パン粉を入れすぎたパサつくハンバーグ
食べに来てね
詩人:剛田奇作 | [投票][編集] |
無性に喉が渇く夜は
塩水を飲みまくり
渇きを癒そうとする私
我慢できないんだ
君に触れたい
君が要る
何処かに居る
君が要る
私は中毒
欲しくて欲しい
いや欲しいのは
君じゃない ほんとうは
熱々の内蔵や
恋をしている心臓が欲しい
恋をしている人と心臓を交換したい
私の物なら何でもあげる
私は三歳のときに肉屋のお兄さんにバレンタインチョコをあげた筋金入りの恋愛中毒
治らないのさ
おばあさんになっても
モモヒキを引きずりながらデートのシミュレーションをして
オシメを代えてもらいながら
甘いキスの夢をみるのさ
イバラ
そう
イバラに似ていて
退廃していくの私は
壊れていくの
砂の城が好き
それが堪らなくて
きっと
浮気をしたいんじゃない
恋人が欲しいんじゃない
狂気のように熱い心臓が欲しい
宗教でもなんでもいい
燃える体を癒すものが欲しい
手放せば手放すほど
私の情熱は浮き彫りになり
そのうち
私自身を飲み込んでしまうんだろう
詩人:剛田奇作 | [投票][編集] |
なぜかふいに、空みたいになりたくなった
空には何も無い
空は何も持っていないが、すべてを見ている
「必要なものは、与えられる」
だから、欲しがらなくていい
買わなくたっていい
私は最近、家の中の物を無くすのがマイブーム
大事にしてたレコードも電化製品もおもちゃも
過去の栄光も ゴミも すべて
あげたり 売ったり 捨てたり
なぜかしたくなった
空っぽがいい
どんどん 手放した
あたまも空っぽになった
未練もなくなった
前よりずっと生きるのが楽だ
物がなければ、やることも無い
ゆったり、島国みたいな時間が訪れる
「持たない」という
最高の贅沢
そしてやっぱり
空はからっぽ
何も持っていない
私たちも今はこんなにも多くの所有物にかこまれながら
昔、何も持たずにこの世にやってきた
んで、なにも持たずに死ぬんだろう
そして空になるんだろう
本当のきみに会えるんだろう
パソコンや携帯を手放したら、
こんな風に私の言葉を外に発信できなくなるけど
まだ
鉛筆とノートがあるな
鉛筆もノートも無くなったら
歌にすればいいな
自分だけのメロディ作って
詩人:剛田奇作 | [投票][編集] |
一億年に一度訪れる
SPECIAL DAY は今日さ
瞼の埃が
太陽に溶けていくのを見つけた
SPECIAL DAY
涙の流し方を知った
SPECIAL DAY
名前のない花を探し
やっと見つかった
SPECIAL DAY
重力が働く SPECIAL DAY
地球が丸い SPECIAL DAY
贅沢すぎて眼が回りそう
チョコレートはどこから食べても美味しい
SPECIALは
どこから来てもSPECIAL
敵でも かきまぜても
SPECIAL
おかえり
SPECIAL
いってらっしゃい
SPECIAL
詩人:剛田奇作 | [投票][編集] |
僕らはうんちなのさ
たとえば僕が
四歳の時
ジャングルジムのてっぺんでもらしたうんち
その日お母さんはおしめを持ち帰って、家のトイレにうんちを捨てた
かわいい僕からもれた
かわいいうんちを
そう
水流にまみれながらうんちは粉々になり
どこかに行ってしまった
もちろんそれ以来
そのうんちには会っていない
いわゆる永遠の別れだ
循環して今は
空か海か土か
生物の体内か
僕らはそう
みんなうんち
きにすんな
きにすんな
百年たてばみんな死んでる
愛する人も憎い人も
神とよばれる人も
みんな地球の塵になって積もり積もり
うんちとおなじになってる
正も負も清いも汚いも淘汰された聖なる空間にいるのさ
かっこつけたって
悩んだって
威張ったって
こだわったって
いつかはうんち
どうせうんちなら
好き勝手に生きよう
イエス、アイアム
うんちの定義に決まり事なし
詩人:剛田奇作 | [投票][編集] |
さぁ ペンを取ってゴハンを食べましょう
マグカップを持ってダンスしよう
へんな古いポストカードなんて捨てちゃってさ
ノスタルジックかなんか知らないけど
君思う、故に我あり
ね こんなのどうかな?
毎週だって
動物園に行くよ
フラミンゴが好きさ
名前も素敵でしょ?
夢でさえ、泣くのを忘れてしまう
快感なんて
スイカみたいなもんで
ふくれても
たまらない
情けないけど、みんな過去だからいきてゆける
今考えてることもね
この詩だって全部過去
私の中では
全て終わっている
言葉に救われるんじゃない
生み出す瞬間の火花が命みたいなものになるの
だからね
私の歌はすぐに死んじゃうの
それでいい
喫茶店の窓に夕日が 映る
何もかもが出来すぎてる
でもやっぱり
扇風機の風が気持ちいいのは生きているからだし
そこは否めない
何もできなくなって
嫌になったらさ
飢え死しようとして
ゴハンを食べないでいてごらん
命の神秘に気付くから
ビルから飛び降りるのは反則
睡眠薬も反則