詩人:剛田奇作 | [投票][編集] |
究極のゆっくりを許してあげよう
自分を一度も許したことのない人が、残念ながらたくさんいる
一日に いや一年に、もしくは一生
何もできなくて当然と思おう
ただ生きてるだけが、すべて
それだけで
君は、満点
それ以外は、ほとんどおまけみたいなもんだ
そうしたら、朝起きてカーテンをあけるのだって
紙屑を拾うのだって
奇跡みたいにラッキーなことさ
ガソリンが無いのにいくらアクセル踏んでも進まないよ
君は
弱いんじゃなくて
疲れたんじゃなくて
ネガティブじゃなくて
それはね、心が
ただゆっくりしているだけ
他人の事や自分のこと
ありとあらゆる事を期待させられて
容量オーバーになったから
ただゆっくり働いているだけ
意識でいくら急かしても
魔法使いじゃないぞって
心が怒るよ
今は ゆっくり
ひたすら ゆっくり
ゆっくり
ゆっくり、ね
いずれガソリンが溜まった時アクセルは踏める
踏みたくなくても
ガソリンが入ったらなんとなく踏んじゃうもんなのさ
今は、ゆっくりが近道
今は、ゆっくりが仕事
ゆっくりのプロになろうゆっくりの天才だ、
なにか成功している人たちは本当に、みんなゆっくりの天才なんだよ
ゆっくり、
ゆっくり、、
ゆっくり、、、
ゆっくりしているときは
まわりがよく見える
そのうちに
カメさんみたいな丈夫な鎧が身につくのさ
詩人:剛田奇作 | [投票][編集] |
飛んで波打つ
君の肘が
初めて星を こずいたのさ
駅はまだ遠いから
水筒には君の好きなレモネードをつめて行こう
覚えてる?
ホームではあの言葉はぜったい使っちゃいけないんだ
雲の隙間には、僕らの未来があるんだよね
でも、鳥は きらい
僕らをいつも見下ろすから
空はね、少しすき
ビーカーに鳥を溶かすから
ぐるぐる巻きの紙芝居が終わる頃
君はすっかり
酔っ払っちゃって
僕の薄い肩に よりかかってさ
可愛かったね
耳をつまんだ指先が
すごくピリピリしてきちゃって
靴紐もほどけなくて
痛かった
でもね、僕、
君をずっと愛してたんだ
詩人:剛田奇作 | [投票][編集] |
東の鬼門のバラが
蜘蛛の眼と、蓮の枝の中心位置にきています、
西南の湖の魚拓エレメントが 少し陰ってきていますね…
最近、右手の中指に違和感あるでしょう?
やはりね…
今年から、南座談会星雲の中に金星が入ってきていますから
就職には有利といえます
エジプトのラ・ジル・ベルベット協会の
聖ミリストーマンダラーン卿の書いた
クレオパトラ13学占星術によると
ベッドの位置を
あと23センチ南にずらしたほうが
二次面接には若干有利でしょうね
モスクワのペンギン=チョビラッセ毛根太子のお勧めしている
ピピリンポン・ダウジングを使うことにより
的中率がさらに上がりますがご利用なさいます?
それから、エクソダスター八世の魂があなたと交信したがっています
これはもう 貴方の命に関わる重要なメッセージとしか…
はい、就職の方はゲーム業界で大丈夫ですね
詩人:剛田奇作 | [投票][編集] |
そこの人々は 日夜
解ってもらいやすそうな言葉を考えて
自分を表現しやすそうな言葉をたぐり寄せ
解ってもらいやすそうな人々を
解ってもらったようなつもりにするため
解っているつもりで口をきく
『解らない』
などという、自分たちの存在を根底から否定しかねないような言葉は
決して
使わない
そのために日夜努力しているわけで
解ったようなつもりの手段で
解りやすさを追求したつもりで
共感度らしきものを高め
解ったつもりになれそうな人々に
解ったつもりになってもらうべく
がんばっている
詩人:剛田奇作 | [投票][編集] |
俺様のおかげで
アイツはすべて無くした
手も足も出ないまま
首の皮一枚もちょんぎれ
万策尽き果て
絶対絶命
希望という希望の芽を
むしり取ってやったのに
だけど、終われない
あいつには
絶望と諦めがやってこない
俺様、最近うつっぽい
…魔界で静養してこよう
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タロットを導く細い指先 は、宿命の民の横顔
濁る不治の泉にも
やわらかな光を
その代償は狂気の魂
月夜に舞い踊る、虚言を
髑髏の指輪にオパール
原石は、千年の魔よけ
錆びた十字架を握る
触れられぬ仮面は
永遠の自由の証
彼らは、ジプシー
獣のごとく俊敏で
猫のごとくしなやかな身体
揺らめく蝋燭に漂う
奇跡の終焉り
秘術が宿り、
語りはじめる
漆黒の瞳の向こう側
定められた命の甘美な味
腐ったウィスキーを嗜み
森羅万象の影の中
鶏の内臓を投げ込んで
蛇の革をなめし続ける
絶えたはずの
流浪の民
彼らは、ジプシー
官能的な腐敗に
清らかな杯を授けて
滴らすのは
棺桶から溢れ出す聖水
彼らは、ジプシー
覚めやらぬ
明け方の闇へ
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社会の顔は
冷酷殺人犯からはじまり、仏のような温かい人までの中間
のんびりカメさんから、せっかちウサギさんの間
引きこもりおたく劣等生から、塾通い天才堕天使と
すべてを悟る影の傍観者の間
夢をみているピーター・パンと戦争を企てる官僚の間
社会の顔
厳粛で、ぬかりないひとつの数式
冷酷なほど全うする法則
誰にも実体をつかめないが
その刻々と変わる
読解困難なアルゴリズムは
不定期更新なのか…
一万年間、変わっては、いないのか…
冷酷なほど、神秘
深遠で、明快?
社会の顔
詩人:剛田奇作 | [投票][編集] |
甘い夜空、
高くそびえる透明なカクテル・ビルへ繋がるのは
氷河セントラル・ホール
トロピカル・イエローの光を遮るのは
三年と六ヶ月、長引くカジノのキャンドル会議
水中エレベーターがスライド、乗り込む記者たち
漆黒の鮮やかさが、スーツに身を包み
歌いながら語るのはアイドル・ヴィーナス
エスコートするのは、太陽の残した僅かな埃
地上へ出れば
人込み独特の甘い香り
ベルトはまだ緩めないアニマの本能
急ぐでも、くつろぐでもなく
漂流する人々の、頭上へ
砂漠から来た飛行船ペリスがゆっくり上昇
大通りには森がひしめき
ざわめく星空プール
揺れる歩道、靴の鈴
やがて
人々が深海の浅い眠りに漂うころ
都市は目覚め、レトロなミュージックが響く駅には儚き恋人たちの姿
ストイックな国道へつながるフィッシュ・センチメンタル
トマト色の交差点に生える、
樹齢不明のネオンサボテン
マリンブルーの標識を見つければ裏通りのピンクネオン街頭
浮上する
トランプ騎士団の恋占いの館
今にも溶けてしまいそう、複雑な立体駐車場
月まで帰るのはキャンディでいっぱいのバス・ストップ
『レジェンド』
眠りたい
眠れない
甘い 香り
溢れて、脳天に浸透する
麻薬のように 爪先から
忍びこんで
濡れた髪を滑り落ち
夜風いっぱいに甘美が佇む
人々の官能に
この都市をあけ渡して
沈まない夢は
永遠の真夜中に浮かび上がる
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キリガナく
オワリなく
考えるのは
アイツのカバンの色
いつも着ているコート
かかとの潰れたスニーカー
SevenStarの箱
部屋の隅に積み上がったCD
CK One のアイツの香り
横顔、ゆっくりした瞬き
洗濯物が、いつもより綺麗に干されていた
きちんとシワが伸ばされて
礼儀正しく、干されてた
洋服一枚、満足にたためないアイツが
こんな干し方、みたことない
もちろん、
女だっていうのは阿呆でも判る
判って、
いる
そして、また考える
キリガナく
オワリ無く
私は、